スクリーン・リーダー利用者向け多機能Twitterクライアント、Qwitter
多くの方々に利用されているTwitterは、スクリーン・リーダーを用いて使用できることは、昨年5月の当Blogのエントリー、スクリーン・リーダーでTwitterを利用するにはの中でご紹介しました。本エントリーでは、数あるTwitter用クライアントの中で、最近にわかに国内のスクリーン・リーダー利用者の間で注目を集め始めた多機能なTwitterクライアント、Qwitterについてご紹介します。
Qwitterは、スクリーン・リーダーを使用する視覚障害者がキーボード操作だけで利用できるTwitter用のクライアントで、Qwitter開発チームによってオープンソースで開発が続けられています。昨年のエントリーの中でご紹介したJAWS用のスクリプト、Jawterの操作方法を参考にした常駐型のアプリケーションで、以下のような特徴を持っています。
- Twitterのタイムラインや返信、ダイレクトメッセージ等を、JAWSやNVDAと連携して音声や点字で出力できる
- 非対応のスクリーン・リーダー使用中であっても、WindowsにインストールされているSAPIの音声エンジンを使った読み上げが可能
- 音による新着メッセージの案内が可能
- マルチアカウント対応
- リスト対応
- 多言語対応可能
- つぶやきを画面に表示せずに閲覧可能
- ほかに、ストップウォッチ機能やBingによる検索機能、Solona a11yのサービスが利用可能
Qwitterを起動すると、Twitterのユーザー名やパスワードを入力するためのログインダイアログが表示されます。入力を終了してEnterキーを押すと、その後は設定のためのダイアログなどを表示させない限りは、画面上にはQwitter関連の情報は表示されなくなります。つまり、現在読み上げられているつぶやきは、画面上には表示されないことになるのです。
利用者は、WindowsキーとCtrlキーを押しながら上下左右の矢印キーを押すなど、キー操作だけで、Twitterのタイムラインや返信、ダイレクトメッセージ等を切り替えながら項目を音声や点字で確認することができます。操作方法がやや複雑なため、Windowsキー、Ctrlキー、Shiftキーを押しながらKを押すと、その後に押したキーの組み合わせの機能説明を読み上げる、キーボードヘルプを使用することもできます。
スクリーン・リーダー使用者が使うことに特化したTwitter用クライアントですが、多機能でありながら現在も開発が続いており、さらなる機能の追加や日本語化作業も行われているQwitterに、今後も注目していきたいと思います。
コメント
JAWSでも使えるクライアントソフトを探していました。
ご紹介のQwitterを試してみたところ、とても快適に動作しています。
一部、英語キーボードでないと使えないコマンドもありますが、
キーストロークをカスタマイズすることで対応可能です。
有益な情報に感謝です。
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