【iPhone 3GS使用レポート4】: 便利なWebコンテンツの読み上げ
iPhone 3GSにはWebコンテンツを閲覧できるブラウザとして、Safariが標準で組み込まれています。特徴として、Webコンテンツ内で他の部分の読みあげをスキップして、見出しやリンクなどの特定の要素に直接移動するための機能があります。本エントリーの中では、これをジャンプコマンドと呼ぶことにします。
筆者が日常的に利用しているJAWSやNVDAといったスクリーン・リーダーにはこのようなジャンプコマンドがあり、例えば見出しにジャンプするにはHキーを、リンクにジャンプするにはUキーを使用したりします。しかし、これまで携帯電話でWebコンテンツを閲覧する際は、コンテンツ内に用意されたアクセスキーを使わなければ、効率よく情報を閲覧することができなかった筆者にとって、iPhoneにあるジャンプコマンドは大変新鮮でした。
ジェスチャーによる操作の中でも紹介しましたが、SafariでWebコンテンツを閲覧中にも、コンテンツ全体を読ませることができます。ページ中の見出しやリンクなどは、項目名の後に「見出しレベル1」や「リンク」、「訪問済リンク」のような音声とともに読み上げられます。
このSafariの特徴は、コンテンツ内で上や下にはじくジェスチャーを行ったときに、さまざまなジャンプコマンドが利用できることです。ジェスチャーについてご紹介したときには省略させていただいた、ローターコントロールによってジャンプコマンドを切り替えるのですが、Webコンテンツ内で使用できるジャンプコマンドには以下のようなものがあります。なお、ジャンプコマンドを切り替えるには、画面上で2本の指を使って、つまみを回すような動作を行います。
- 文字
- 単語
- 見出し(ヘッダと読まれます)
- リンク
- フォーム要素
- 訪問済みリンク
- 未訪問リンク
- イメージ
文字や単語単位での読み上げは他の画面上でも行うことができるのですが、Safariの中では、それに加えてこのようにさまざまなジャンプコマンドが使用できます。例えば、アクセシビリティBlog内で記事だけを効率よく読みたければ、見出しジャンプが便利かもしれませんし、コメントを投稿したいのであればフォーム要素へのジャンプが便利です。
スクリーン・リーダー使用時に、例えば見出し要素にジャンプするならHキー、フォーム要素にジャンプしたければFキーと、それぞれの要素にジャンプするために別々のキー操作を使ってきた筆者にとっては、同じジェスチャーで機能を切り替えながら使用するこのジャンプコマンドは少々不便な気もします。しかし、一つのジェスチャーを覚えておけばそれを切り替えることで応用できるような実装は、要素別にコマンドを覚えなくてもよいという点で便利なのかもしれません。
冒頭にも書きましたが、このようにWebコンテンツ内で効率よく情報を閲覧できるような機能は、とても便利だと思います。改めて、見出しなどの文書構造を持ったコンテンツが、ユーザーの利便性を向上させることを実感しました。
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