WCAG 2.0 Candidate Recommendation
各所にて既報のとおり、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0のCandidate Recommendation (CR) が4月30日(日本時間5月1日)に公開されました。
大きく内容に変更が見られた前回のSecond Last Working Draftとは違って、今回は比較的軽微な修正が主となっています。しかしながら、CRとしての公開において重要なポイントが、この文書のステータス(Status of this Document)という項に挙げられていますので、それを簡単にまとめておきたいと思います。
Exit Criteria
直訳すると「終了基準」となりますでしょうか。ここでは、CRのステータスを完了し、次のステップであるProposed Recommendation (PR) へと進むための基準が記されています。例えば、少なくともガイドラインに適合したサイトが10あること、その中でもレベルAへの適合が最低4サイト、レベルAAへの適合が最低4サイト、レベルAAAへの適合が最低2サイトがあること、が基準のひとつとして挙げられています。なお、正確な内容、および残りの基準については原文をご参照ください。
Items at Risk
これは直訳すると「危険性のある項目」となり、何のことだかよくわからなくなりそうですが、それぞれCriteria at Risk for Change、 Criteria at Risk for Change or Becoming Advisory、Criteria at Risk of Becoming Advisoryということで、変更される、もしくは「Advisory」になる、もしくはその両方の危険性がある項目のことです。
こちらからも該当項目をひとつ挙げますと、コントラストについて規定している達成基準 1.4.3がCriteria at Risk for Changeのひとつとなっています。この基準では一部の例外を除いて、少なくとも5:1のコントラスト比を必要としていますが、実装例において、これが限定的すぎる場合には、4.5:1もしくは4:1に修正される、と記載されています。こちらも上記同様、正確な内容、および残りの項目などについては原文をご参照ください。
今後は、W3C Q&A WeblogでW3C/WAIのShawn Henry氏が触れていますように、問題がなければ2008年の第3四半期にPR、そしてその2カ月後には勧告という予定となっています。
ワーキンググループでは今回のCRに対してもコメントを受け付けていますので、特に前述のようなまだ不確定要素のある項目に対して、実装上の問題があるという方は原文をご参照の上、コメントされてみてはいかがでしょうか。
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