アクセシビリティBlog
Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
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2010年6月30日
漢字の変換候補を読み上げられるNVDA日本語Alpha版リリース
無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの日本語化は、NVDA日本語化プロジェクトで作業を続けております。
このたび、日本語化の作業の中でももっとも重要な機能の一つ、漢字変換候補の読み上げ機能を含んだNVDA日本語Alpha版をリリースしました。改善しなければならない問題も多々ありますが、多くの方々にご使用いただき、NVDA Japanese Users等でフィードバックをいただきながら今後の開発を継続していきたいと考えております。
今回、日本語化プロジェクトで漢字変換中の変換候補の読み上げの動作確認を行ったのは、以下の環境です。
- Windows XP
- 詳細なテキストサービスをOffにした、Microsoft IME Standard Ver 8.2
- Windows 7
- ATOK 2008
- Microsoft Office IME 2007
- Microsoft IME
また、NVDA日本語Alpha版をご使用いただく場合、以下の点をご了承ください。
- 漢字変換をスペースキーで行ったときだけ、変換候補が読み上げられます。「変換キー」や「上下カーソルキー」で移動した場合は、詳細読みは行われません。
- 変換中の項目を読み飛ばしてしまう可能性があります。
- 変換候補を2個読んでしまう等、1個目の変換項目の読み方に問題が発生する可能性があります。
- SAPI4の音声エンジンを使用した場合、読み上げに遅延が発生する可能性があります。
このNVDAパッケージは、まだ開発途中のものであり、予期できない問題を含んでいる可能性もありますので、ご自身の責任でご利用ください。NVDAは、NVDA Projectが開発元であり、このパッケージは、日本語環境でNVDAをご利用いただく目的で作成した物であることをご了承ください。
2010年6月17日
スクリーン・リーダー利用者向け多機能Twitterクライアント、Qwitter
多くの方々に利用されているTwitterは、スクリーン・リーダーを用いて使用できることは、昨年5月の当Blogのエントリー、スクリーン・リーダーでTwitterを利用するにはの中でご紹介しました。本エントリーでは、数あるTwitter用クライアントの中で、最近にわかに国内のスクリーン・リーダー利用者の間で注目を集め始めた多機能なTwitterクライアント、Qwitterについてご紹介します。
Qwitterは、スクリーン・リーダーを使用する視覚障害者がキーボード操作だけで利用できるTwitter用のクライアントで、Qwitter開発チームによってオープンソースで開発が続けられています。昨年のエントリーの中でご紹介したJAWS用のスクリプト、Jawterの操作方法を参考にした常駐型のアプリケーションで、以下のような特徴を持っています。
- Twitterのタイムラインや返信、ダイレクトメッセージ等を、JAWSやNVDAと連携して音声や点字で出力できる
- 非対応のスクリーン・リーダー使用中であっても、WindowsにインストールされているSAPIの音声エンジンを使った読み上げが可能
- 音による新着メッセージの案内が可能
- マルチアカウント対応
- リスト対応
- 多言語対応可能
- つぶやきを画面に表示せずに閲覧可能
- ほかに、ストップウォッチ機能やBingによる検索機能、Solona a11yのサービスが利用可能
Qwitterを起動すると、Twitterのユーザー名やパスワードを入力するためのログインダイアログが表示されます。入力を終了してEnterキーを押すと、その後は設定のためのダイアログなどを表示させない限りは、画面上にはQwitter関連の情報は表示されなくなります。つまり、現在読み上げられているつぶやきは、画面上には表示されないことになるのです。
利用者は、WindowsキーとCtrlキーを押しながら上下左右の矢印キーを押すなど、キー操作だけで、Twitterのタイムラインや返信、ダイレクトメッセージ等を切り替えながら項目を音声や点字で確認することができます。操作方法がやや複雑なため、Windowsキー、Ctrlキー、Shiftキーを押しながらKを押すと、その後に押したキーの組み合わせの機能説明を読み上げる、キーボードヘルプを使用することもできます。
スクリーン・リーダー使用者が使うことに特化したTwitter用クライアントですが、多機能でありながら現在も開発が続いており、さらなる機能の追加や日本語化作業も行われているQwitterに、今後も注目していきたいと思います。
2010年6月 9日
iPhone 4及びiOS 4におけるアクセシビリティ機能のアップデート
すでにさまざまなメディアで紹介されておりますが、去る6月7日(日本時間は6月8日早朝)に、アップル社のiPhone 4及び新しいOSとなるiOS 4に関する発表が行われました。さまざまな新機能に注目が集まっておりますが、筆者が6月9日現在で調べた限りでは、アクセシビリティ関連機能のアップデートに関しては、あまり情報が多くないように感じました。
そこで本エントリーでは、Apple - iPhone 4 - Accessibility features are built right inをもとに、iPhone 4及びiOS4でアップデートされる予定のアクセシビリティ関連機能について簡単にご紹介します。なお、このエントリーは現在Web上に掲載されている情報をもとに書いておりますので、必ずしも情報のすべてが正確でない可能性があります。参考までにお読みいただけましたら幸いです。
language rotorによる読み上げ言語の切り替え
iPhone上のスクリーン・リーダーであるVoiceOverが21ヶ国語の読み上げができることは現状のiPhone OSと同じですが、iOS 4には、language rotorという簡易的に読み上げ言語を切り替えることのできるローターコントロールが追加されるようです。これにより、現在のように複雑な操作でシステム全体の読み上げ言語を変更しなくても、簡単に表示中の画面内容を違う言語で読ませることができるようになるとのことです。
私は、例えば英語のメールを日本語の読み上げ音声ではなく、英語の音声で読むことができるようになったり、lang属性が指定されていない海外のWebサイトにアクセスして、対応する言語でコンテンツを読ませたりすることができるのではないかと期待しています。
ワイヤレスの点字ディスプレイと他言語点字のサポート
iPhone 4では、30種以上のBluetooth接続できる点字ディスプレイをペアリングするだけで使用できるようになるそうです。また、25ヶ国語の点字がサポートされるとのこと、外出先でのiPhoneの利用範囲がさらに広がるのではないかと感じました。
機能拡張されたローター
以前にもご紹介したローターコントロールは、VoiceOverの特徴的な機能の一つで、画面上のテキスト等の読み方を変更するような場合に使用される機能です。iOS 4では、Webコンテンツの閲覧中に使用できるコントロールを追加できるようになるとのこと、これまでのジャンプコマンドに加えて、例えばリスト、テーブル、テキストフィールド、ボタンといった項目にもジャンプできるようになるようです。さらに、これまでは画面上では確認できなかったローターを画面上でも確認できるようになるとのこと、画面でローターの動きを確認しながらVoiceOver初心者にこの機能の使い方を教えることもできるようになるようです。
iOS 4は6月21日に配信され、6月24日にはiPhone 4が発売されるとのこと、アクセシビリティ関連機能のアップデートにも引き続き注目していきたいと思います。
