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2011年5月13日

スクリーン・リーダーの仮想バッファー

アクセシビリティ・エンジニア 辻

私はよく、セミナー等で、
「見出しやリストなどの文書構造を適切に使用して作成されたコンテンツは、スクリーン・リーダー等の見出しジャンプ等の機能を用いて効率よく閲覧できます。」
とお伝えしています。しかしながら、その様子をデモなどで紹介することはあっても、これまでそのジャンプコマンドが動作する、スクリーン・リーダーの仮想バッファー(Virtual Buffer)についてはあまり触れたことがありませんでした。そこで本エントリーでは、スクリーン・リーダーでWebコンテンツを閲覧する際に使用される仮想バッファーについて、JAWSの仮想バッファーを例としてご紹介したいと思います。

仮想バッファーとは?

WebページやPDFの文書には、見出しやリストをはじめとした様々な要素が用いられています。スクリーン・リーダーは、それを解釈し、音声や点字で表現することができます。その際に使用されるのが仮想バッファーです。

仮想バッファーの中では、コンテンツを順番に読み上げるだけでなく、エディターの編集領域と同じように上下左右のカーソルキーを使って自由に文書の中を動き回ることができます。これにより、コンテンツの特定の部分を何度も読み直したり、気になる単語がどのような漢字で構成されているかを確認したりすることができます。また、任意の文字列や行を選択してコピーしたり、選択した項目をエディター等に貼りつけることもできます。

例えば、当Blogのトップページ、http://accessibility.mitsue.co.jp/をFirefoxで表示させ、JAWS for Windows Professional 日本語版で一部を読み上げると、以下のようになります。

アクセシビリティBlog 見出しレベル1

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見出しレベル2 2011年4月27日
見出しレベル3 「Web Accessibility Toolbar 2011」公開

このように、見出しのレベルやリンクが、対応する文言とともに読み上げられます。また、キーボードの文字を入力することで、特定の要素に直接移動することもできます。例えば、JAWSやNVDA、最新のPC-Talker等では、Hキーを押すことで次の見出しに移動することができます。

文字を入力するときは?

前述の通り、仮想バッファーの中ではHキーで見出しに移動したり、Lキーでリストに移動したりと、キーを押すことで特定の要素に直接移動することができます。コンテンツ内の情報にアクセスする際は、さまざまなジャンプコマンドを使うことで、効率よく情報を閲覧することもできます(ジャンプコマンドを有効に活用するには、コンテンツが適切にマークアップされている必要があります)。

(編注:Hキーを押す)
2011年4月27日 見出しレベル2(編注:Hキーを押す)
「Web Accessibility Toolbar 2011」公開(編注:Hキーを押す)
Web Accessibility Toolbar 2011 の変更点 見出しレベル4(編注:Hキーを押す)
2011年4月19日 見出しレベル2(編注:Hキーを押す)
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」最終回前編 見出しレベル3(編注:Hキーを押す)
概要 見出しレベル4(編注:Hキーを押す)
アクセシビリティ機能を持つWebの閲覧環境と音声紹介 見出しレベル5

このように、Hキーを押すたびに次の見出し項目名と見出しレベルが読み上げられます(Shiftキーと組み合わせることで、見出しを逆順でたどることもできます)。

それでは、ページ内のテキストフィールドにHやLをはじめとした文字を入力するには、どのようにするのでしょうか?スクリーン・リーダーは、仮想バッファー用のコマンドと、入力文字列をどのように区別するのでしょうか?

スクリーン・リーダー使用中は、仮想バッファー上の移動コマンドと、テキストフィールドへの文字入力等の操作を切り替えることができます。例えばJAWSやNVDAでは、テキストフィールドを検知すると、スクリーン・リーダーが自動的に操作モードを切り替える機能があります(設定を変更することにより、Enterキーやスペースキーを押して手動でモードを切り替えることもできます)。利用者には、効果音やメッセージにより、仮想バッファーのモードと、文字入力が可能なモードが切り替えられたことが通知されます。

それでは、コメント欄のテキストフィールドがある個別の記事のページを、JAWSを使って読み上げてみましょう。下矢印キーを押していくと、小さなクリック音とともに「エディット」と読まれる部分がテキストフィールドで、現在の私の設定ではその部分に到達すると、自動的に文字が入力できるモードに切り替わります。さらに下矢印キーを押すと、自動的に仮想バッファーモードに戻り、別のクリック音が聞こえます。

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名前:
エディット(編注:クリック音により、文字入力ができることを確認)
メールアドレス(ページには表示しません): (クリック音により、仮想バッファーの操作に戻ったことを確認)
エディット(編注:クリック音により、文字入力ができることを確認)

このように、スクリーン・リーダーの利用者はWebページの情報にアクセスする際、仮想バッファーを使ってコンテンツ内の情報を効率よく閲覧したり、必要に応じて入力モードに変更したりしています。コンテンツを先頭から最後までじっと聴き続けたり、読み続けたりしているわけではないのです。もし、仮想バッファーについてご自身でもお試しになりたい方は、NVDAにも仮想バッファーがありますので、どうぞご利用ください。

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