Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
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2012年1月26日
アクセシビリティキャンプ東京 キックオフ 開催報告
アクセシビリティ・エンジニア 中村
昨年末の当BlogエントリーやFacebookにて告知しておりました、アクセシビリティキャンプ東京 キックオフを先日開催いたしました。当日はあまり天候がよくないにもかかわらず、運営側含め28名という人数で開催することができました。お集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。

今回はキックオフということで、ライトニングトークと次回以降についてのアンケートや意見共有、参加者の簡単な自己紹介をするまでにとどまりました。しかし、運営への参加に立候補してくださる方もいらっしゃいましたので、今後は会社の枠組みを超えた有志の集まりとして開催することができそうです。
キックオフには、制作/開発者、管理者、アクセシビリティの専門家にご参加いただきました。また、それぞれに支援技術の利用者もいらっしゃいました。運営の一員として、今後もさまざまな方にご参加いただけるよう、楽しくて、できればためになるイベントを目指していければ、と思っております。今回来られなかったみなさまも、是非次回以降の参加をご検討ください。
なお、本イベントに関しましては、既に一部参加者の方々が感想などを公開されていますが、Twitter上のつぶやきがTogetterでまとめられています。
当Blogでも、今回の記録公開や今後の開催の告知など、関連する情報をお伝えしていきます。
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2012年1月 4日
W3C WAIアップデート
アクセシビリティ・エンジニア 中村
新年早々、W3C WAIから、WCAG 2.0の関連文書のアップデート版と、Media Accessibility User Requirementsという新しい文書の草案が公開されました。
まず、WCAG 2.0関連文書アップデートですが、Techniques for WCAG 2.0にFlashの実装方法に続いて、SilverlightとPDFの実装方法が追加された点が、一番のポイントです。
既にEditors' Draftには追加されていた内容ではありますが、今回正式なWorking Group Noteとして公開されたことでより利用しやすくなりました。
これに伴い、実装方法を参照しているUnderstanding WCAG 2.0も、SilverlightとPDF関連の追加を中心にあわせて更新されています。
一方、Media Accessibility User RequirementsはWeb上の音声および映像に関するアクセシビリティの要求事項を、特にHTML5関連を中心にまとめた文書です。
内容としては、大きく3つのセクションに分かれています。
最初のセクションは、障害別にどのようなことが必要になるかについてを説明しています。例えば、全盲のユーザーであれば、映像だけの情報にはアクセスできないので、音声やテキストの情報が必要になる、といったことについて書かれています。
次のセクションには、具体的な代替技術について、どのようなものがあるか、またそれぞれどのように提供するのか、といった内容が書かれています。映像を説明するテキスト、キャプション、手話、トランスクリプトなどが説明されています。
最後のセクションでは、前述の技術がアクセシビリティ全体においてどのような位置づけとなるのかを、ユーザーエージェントにおける技術的な側面と、制作工程における観点の両方から説明しています。
なお、この草案、Media Accessibility User Requirementsにつきましては、2月10日までコメントを受け付けているそうです。(詳細はInstructions - PFWG Public Comments(英語)をご参照ください。)
今後、映像や音声まわりのアクセシビリティは非常に重要な位置づけとなってくると思いますので、こちらにも注目していきたいですね。
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2011年12月27日
アクセシビリティキャンプ東京 キックオフのお知らせ
アクセシビリティ・エンジニア 辻
来る2012年1月20日に、当社セミナールームでアクセシビリティキャンプ東京 キックオフを行います。これは、参加者が内容を決めるBarCampのような形式で米国、カナダ、英国等で催されているAccessibility Campを今後東京で実施すべく、そのキックオフイベントとして開催するものです。
Webをはじめとしたアクセシビリティの認知度が向上してきた今日、アクセシビリティの専門家が知識や技術を啓蒙するセミナーは数多く開催されるようになってきました。しかし、アクセシビリティに関心のある方々が集まり、それぞれの意見を持ち寄って双方向のコミュニケーションを行うようなイベントがなかなかないのが現状ではないでしょうか?
アクセシビリティキャンプはセミナー形式のイベントではなく、参加者同士、さまざまな立場の人の交流を中心に、日本のアクセシビリティを盛り上げていくために参加者が作っていくイベントです。アクセシビリティに興味がある、一緒にイベントを盛り上げていきたい、共有したい話題がある、といったさまざまな立場の方のご参加をお待ちしております。
参加をご希望の方は、Facebookのイベントページ、アクセシビリティキャンプ東京 キックオフからお申し込みください。
イベント概要
- 名称
- アクセシビリティキャンプ東京 キックオフ
- 日時
- 2012年1月20日 (金曜日)
- 時間
- 19:00~21:00
- 場所
- 株式会社ミツエーリンクスセミナールーム(新宿スクエアタワー18階)
- 参加費
- 無料
今回のイベントは、前半をライトニングトーク形式での情報共有、後半を今後のイベント実施に向けた議論、という2部構成で行いたいと考えていますが、皆様からのご意見を元に内容を調整していきたいと考えております。ご意見のある方は、上記のイベントページまたは当エントリーへのコメント及びa11y@mitsue.co.jpまでお知らせください。皆様とともに、日本のアクセシビリティを盛り上げるイベントが開催できることを楽しみにしております。
2012年1月12日追記
複数の方より、Facebookのイベントページ以外でも参加申し込みができるようにしてほしいとのご要望をいただきました。
今回は諸般の事情によりFacebookを利用しておりますが、より多くの方に本イベントにご参加いただけるよう、代替手段として電子メールでの申し込みを受け付けることにいたします。
ご希望の方は、 プライバシー&サイトポリシーをご確認いただき、当社の個人情報に対する考え方に同意いただいた上で、以下のメールアドレス宛に参加される方のお名前をご連絡ください。
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2011年12月16日
Facebookページ「ミツエーリンクス アクセシビリティ」の開設について
アクセシビリティ・エンジニア 中村
ミツエーリンクスでは、このたびFacebookページ「ミツエーリンクス アクセシビリティ」を開設いたしました。
このページでは、「Making the web more accessible together. —共にWebをよりアクセシブルにしていこう—」をスローガンに、国内外のアクセシビリティの最新動向やTIPSの共有、アクセシビリティに関連する交流の場を提供していきます。
アクセシビリティBlogが、どちらかといえば私たちからの情報発信を目的としてきたコンテンツであるのに対して、このページでは、皆様との双方向のコミュニケーションを目指しています。たくさんの方々と一緒に、より多くのWebコンテンツをアクセシブルにしていきたいと考えております。
「投稿した記事の詳細が知りたい」「こんな内容を共有して欲しい」といったみなさまからのメッセージもお待ちしております。気軽に参加していただければ幸いです。当Blogともども、今後ともよろしくお願いいたします。
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2011年12月 9日
NVDA 2011.3リリース
アクセシビリティ・エンジニア 辻
去る11月25日、無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの公式版、NVDA 2011.3がリリースされました。このリリースにおけるハイライトには、適切な言語設定が行われているドキュメントを読み上げる際に自動的に言語を切り替える機能、64ビット版Java Runtime Environmentsのサポート、Mozillaアプリケーションのブラウズモードにおける書式情報の通知、アプリケーションのフリーズやクラッシュへのより良い対応及びWindows 8への初期対応が含まれています。
リリースから間があいてしまいましたが、本エントリーではNVDA 2011.3の新機能の中から、Webコンテンツ等の読み上げに関連する部分を抜粋してご紹介します。
NVDA 2011.3での変更点(抜粋)
- Web/PDFドキュメントを読み上げる際、言語設定情報が適切に指定されていれば、eSpeak音声エンジンの言語が自動的に変更されるようになりました。自動言語/方言切り替えは、音声設定ダイアログで行うことができます。 (#845)
- Mozillaのアプリケーションなどで使用されているような標準的なIAccessible2のテキストコントロールにおいて、アンダーライン付のテキスト及び/または打ち消し線付のテキストを認識して通知できるようになりました。
- Adobe Readerのブラウズモードにおいて、テーブル行及び列の数が通知できるようになりました。
- ブラウズモード使用時に、新たに読みこまれたドキュメントを自動的に読み上げる挙動がオプションとなり、ブラウズモード設定ダイアログから設定できるようになりました。 (#414)
- ブラウズモード内でスペースまたはEnterキーを押すと、フォーカスモードに入る替わりにタブを有効化するようになりました。 (#1760)
- Internet Explorer及びその他のMSHTMLのコントロールにおいて、制作者が非表示にしようとしているリストのバレットや番号 (例えばリストのスタイルが"none"のような物) を読み上げないようになりました。 (#1671)
- Adobe Readerのブラウズモードにおいて、次の行へ移動、及び前の行に移動するコマンドで、見出し行から次の行に移動、もしくはその逆が常に可能になりました。また、見出し行が0行目と通知されることがなくなりました。 (#1731)
- Adobe Readerのブラウズモードにおいて、テーブル内の空白セルに移動することができる (したがって通過することもできる) ようになりました。
- Internet Explorerのブラウズモードにおいて、ファイルアップロードのボタン上でEnterキーを押した際に、フォーカスモードに切り替わるのではなく、アップロードするファイルを選択するダイアログを表示するという正しい挙動になりました。 (#1720)
- ブラウズモードにおいて、コンボボックスを閉じたり開いたりするための、Alt+上矢印及びAlt+下矢印の挙動が改善しました。 (#1630)
- (Firefoxほか) Mozilla Geckoのブラウズモードにおけるドキュメントで、要素がdisplay:tableとしてスタイル指定されているという非常に特別な状況でテキストのレンダリングに失敗する問題を解消しました。 (#1373)
- ラベルのあるコントロールにフォーカスが移動した際に、ラベルを読み上げないようになりました。Firefox (Gecko) とInternet Explorer (MSHTML) におけるいくつかのフォームフィールドでラベルの二重読み上げを解消しました。 (#1650)
- Adobe Readerにおいて、フォーカスモードで別ページのコントロールに移動した際、文書に関する外部情報を読み上げないようになりました。 (#1659)
- (Firefoxなど) Mozilla Geckoアプリケーションのブラウズモードにおいて、トグルボタンが正しく検出され、通知されるようになりました。 (#1757)
- (Firefox 10など) Mozilla Gecko 10以降を利用するアプリケーションのブラウズモードにおいて、ターゲットにアンカーを含むページを読み込んだ際に、カーソルがより正しい位置に配置されるようになりました。 (#360)
- (Firefoxなど) Mozilla Geckoアプリケーションのブラウズモードにおいて、イメージマップのラベルがレンダリングされるようになりました。
- キャレットの移動を追跡する自動フォーカスモードが有効な時、フォーカスモードのエディットフィールドから左矢印、上矢印またはPageUpで正しくブラウズモードに抜けられるようになりました。 (#1733)
NVDA 2011.3は、以下から入手することができます。
上記の情報を含むすべての最新情報は、NVDA起動後に「NVDAメニュー」→「ヘルプ」→「NVDA最新情報」からご参照ください。
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2011年12月 7日
0から学ぶ スクリーン・リーダー入門セミナー、ご参加ありがとうございました
アクセシビリティ・エンジニア 辻
11月11日の午後、当社セミナールームで0から学ぶスクリーン・リーダー入門セミナーを実施いたしました。当日は雨のために足もとの悪い中、たくさんの方々にご参加いただきまして、どうもありがとうございました。
セミナーからだいぶ時間が経ってしまいましたが、本エントリーでは、当日のセミナー概要と、終了後にいただいたご質問をご紹介します。
このセミナーの目的
「Webアクセシビリティ」の話題の中で、必ずといってもいいくらい登場するのが、スクリーン・リーダーをはじめとした音声読み上げ環境ではないでしょうか? しかし、このような支援技術に関しては、何ができて何ができないのか、といった情報が十分に浸透していません。その結果として、スクリーン・リーダー利用者向けの専用ページが作成されたり、独自の読み上げ機能をWebサイトに付加したりすることが、アクセシビリティ対応だと考える方も少なくないのが現状ではないでしょうか。
そこで本セミナーでは、できる限り多くのデモンストレーションを見ていただくことで、スクリーン・リーダーの充実した機能を理解していただくことを目的としました。ややかけ足となってしまったことが心残りですが、参加者の皆様に、これまでとは違った観点でスクリーン・リーダーの機能を見ていただけたのではないかと思っています。今回のセミナーでお伝えしようとしていたのは、以下のような事柄です。
- スクリーン・リーダーはコンピューターの画面情報を音声や点字で表現するソフトウェアです。スタートメニューやデスクトップの読み上げ、さまざまなアプリケーションの画面情報の読み上げができます。
- 一方音声ブラウザーは特に、Webコンテンツの読み上げに特化したソフトウェアで、Internet ExplorerやFirefoxといったブラウザーと連動して動作します。
- 音声読み上げ環境の利用者は、Webを通じてニュースサイト等から情報を入手するだけでなく、インターネットバンキングやショッピングなどのさまざまなサービスが利用できます。
- 場合によっては、音声読み上げのために配慮されたページが、他の音声読み上げ環境の利用者の情報アクセスの効率を下げてしまうこともあります。
- ニュースサイトの閲覧など、特定の作業を効率化するための専用ソフトウェアもあります。用途が決まっている場合は、専用のソフトを用いたほうが、効率よく情報にアクセスできることもあります。
- これまでのスクリーン・リーダー開発では、対応アプリケーションを増やしたり、読み上げ音声の質を改良したりと、スクリーン・リーダーの基本的な機能の開発が中心でしたが、今後は、利用者の利便性を向上させる追加機能の開発が行われていく見込みです。
いただいたご質問について
今回のセミナーでは、セミナーの終わりに以下のようなご質問をいただきました。
- 1. スクリーンリーダーと音声ブラウザーの違いがよくわからない。音声ブラウザーだけを使うことは可能か?
用途がWebコンテンツの閲覧等に限定されますが、音声ブラウザーだけを使用することも可能です。ただし、Windowsの操作全般の読み上げを行いたい場合は、まずはスクリーン・リーダーを起動する必要があります。
- 2. iPhoneの音声読み上げが紹介されていたが、Android携帯やWindows Phoneではどうか?
Android OS用のアクセシビリティ機能に関しては、海外で開発が続けられています。特に、以下のAndroid 4.0に関する動画によるアクセシビリティ機能のデモンストレーションが興味深いです。
- Android 4.0 Accessibility Demo: Turning on Accessibility - YouTube
- Android 4.0 Accessibility: Exploring the Launcher - YouTube
Windows Phoneに関しましては、Windows Phoneのアクセシビリティ機能に関する情報がありました。現在は、まだスクリーン・リーダー機能はなさそうです。
- 3. 広告だけをスキップするような機能はあるのか?
スクリーン・リーダーには基本的に、広告をスキップして読み上げる機能はありません。情報の提供方法にもよりますが、広告は基本的にはそのまま読み上げられます。ただ、例えばニュースサイトの読み上げに特化したソフトウェアであれば、ニュースの本文以外を読み飛ばすことが可能ですので、それらの利用者は広告を読むことなくコンテンツにアクセスできます。
- 4. 音声エンジンの切り替えについて。言葉が変われば、自動的に切り替わるものなのか?
今回のセミナーでご紹介したiPhoneの読み上げ言語の切り替えは、lang属性を用いることで、コンテンツの特定の部分の読み上げ言語を変更しています。しかし、PC-Talkerでは、コンテンツにアルファベットが出てくると、音声エンジンを英語に切り替えて読み上げる機能があり、両者は異なっています。
上記のご質問やアンケートの結果などから、このようなWebアクセシビリティに取り組んでいらっしゃる方々向けのセミナーを継続的に開催していくと良いのではないかと感じました。
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2011年12月 5日
青森Webアクセシビリティフォーラムを終えて
アクセシビリティ・エンジニア 辻
11月26日の午後、青森県のラ・プラス青い森で開催された、青森Webアクセシビリティフォーラム~みんなが使えなければWebじゃない!~に、株式会社インフォアクシアの植木様(ウエちゃん)と、当社R&D本部の木達とともに講師として参加してまいりました。
当日は週末であるにも関わらず、30名以上の方々にフォーラムにご参加いただき、青森の皆様のWebアクセシビリティに対する関心の高さを実感いたしました。また、フォーラム終了後のアンケートにいただいたたくさんのコメントを読ませていただいた限りでは、フォーラムはおおむね成功だったのではないかと感じています。
私のアクセシビリティPodcastライブ版内でのデモンストレーションに関しましては、コンピューターのトラブルで皆様をハラハラさせてしまったことが心残りです。しかし全体的には、スクリーン・リーダーが動いて、Webコンテンツやアプリケーションの画面を読み上げている様子を多くご紹介することができました。アクセシビリティPodcastライブ版であるにも関わらず、事前にウエちゃんと打ち合わせしておいたダジャレを披露できなかったことも心残りでしたが、Webアクセシビリティの堅いイメージを払拭したいという私たちの思いが少しでも会場に届いておりましたら幸いです。

以下に、現在私が把握している青森Webアクセシビリティフォーラムに関する情報をご紹介します。
主催のエイチピースタイリングの高森様によるフォーラムのレポートです。講師の一人として、高森様やエイチピースタイリングのスタッフの皆様のご厚意に心より感謝申し上げます。
本フォーラムについての皆様のつぶやきがまとめられています。私は、東京に戻ってからこのまとめをじっくり拝見しましたが、皆様のフォーラムに対するさまざまなご意見を読むことができて、とても嬉しかったです。
今回は青森での初めてのWebアクセシビリティをテーマとしたフォーラムにも関わらず、事前の準備不足やコンピューターのトラブルへの対応など、講師として反省すべき点も多々ありましたが、このフォーラムをきっかけとして、一人でも多くのWebにかかわる方々が、Webアクセシビリティを高めるべく協力してくださるようになることを願っています。
