【NVDA日本語化】 2009年8月の進捗状況
無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの日本語化は、NVDA日本語化プロジェクトで作業を続けております。今回から毎月1回のペースで、その月のNVDAの開発状況や日本語化プロジェクトの作業進捗についてお伝えしていきたいと思います。
NVDAプロジェクトの動き
7月末に、NVDA Blogに開発者のMichael Curran氏から投稿された、What should the next version number be?という記事を元に、今後リリース予定のNVDAのオフィシャルバージョン番号について議論が開始されました。議論の背景には、現状のバージョン番号が利用者の方々の混乱を招いていることがあり、バージョン番号をよりわかりやすくするため、本年中にリリース予定の次のオフィシャルパッケージは、NVDA2009.1となる予定です。
次に、8月の初旬に投稿された記事、New Grant from the Mozilla Foundation furthers NVDAは、Mozillaの新たなNVDAプロジェクトへの技術協力に関する紹介で、NVDAが今後ARIA live regionsに対応するために利用されることになり、すでに開発が始まっていることが述べられております。
なおNVDAは現在すでに、以下のようなWAI-ARIA関連コンテンツの読み上げを行うことができます。
8月21日に開発者のJames Teh氏が投稿された記事、Goodbye Miscellaneous Dependencies Packageは、NVDAのソースコードから最新の日本語パッケージを作成している筆者にとっては、少し残念な知らせでした。というのも、これまではNVDA開発者がまとめて提供してくださっていた、NVDAの実行に必要な他者のプログラム(例えば音声エンジンeSpeakなど)を、今後はNVDAのパッケージを作成する人自身が個別に入手するように仕様が変更されたからです。NVDA日本語版のパッケージをご利用いただく際はなにも変更はありませんが、NVDA日本語版をソースコードから実行されている方はご注意ください。
最後に8月24日の記事、Adobe Provides Grant for PDF and Flash Support in NVDAで、AdobeがNVDAでFlashコンテンツの読み上げが行えるように技術協力を開始したことが紹介されておりました。なお、現在NVDAではすでに、タグ付のPDFをWebコンテンツと同じように読むことができます。
日本語化関連作業の動き
日本語化プロジェクトでは、8月に2本のパッケージを作成して公開しました。現在公開しているソースコードは、NVDA開発版R3168をベースにしております。
またすでに当Blogでもご紹介しましたが、8月21日にNVDA紹介セミナーを実施し、多くのWeb制作者の方々にご参加いただきました。
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