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「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第30回 前編

2009年8月25日
アクセシビリティ・エンジニア 中村

アクセシビリティPodcast 第30回 前編では「ウエちゃんがおしえてあげる」をお届けしてまいります。前回に引き続き、今年の秋に改定予定の「JIS X 8341-3」に関する情報を皆さまにお伝えしていきます。どうぞお楽しみください。

概要

第30回 前編では以下の内容についてお送りいたします。

  • 箇条7「ウェブコンテンツに関する要件」
    • 構成について
    • 全体的な読み方の紹介

なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。

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なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。

それでは、どうぞお楽しみください!


「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第30回 前編MP3ファイルのダウンロード

「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第30回 前編 テキスト

植木、辻(以下、二人):
辻ちゃん、ウエちゃんのアクセシビリティPodcast!2009!いぇーい!
辻:
はい、第30回目となりました、アクセシビリティPodcast、30回ですよ。
植木(以下、ウ):
記念すべき30回ですね。
辻:
はい。
ウ:
はい。
辻:
本日もミツエーリンクスのスタジオから、お届けしてまいります。
ウ:
そこは何にも無いんだ。
辻:
はい(笑)わたしは、辻ちゃんこと、ミツエーリンクスの辻勝利です。そして、
ウ:
はい、えー、ウエちゃんこと、インフォアクシアの植木です。
辻:
さらにそして、
ヒ:
はい、同じく、ミツエーリンクスの中村浩佳です。
三人:
よろしくお願いします。
辻:
前回から、JIS X 8341-3、
ウ:
うん
辻:
の2009年度版についてウエちゃんにいろいろお話しをお聞きしているわけなんですけれども、
ウ:
はい。
辻:
えーと、そもそもこのJISっていうのは、
ウ:
うん
辻:
前回もそうだったんですけど、
ウ:
うん、
辻:
ガイドラインを購入しなきゃいけないんですよね?
ウ:
あー、そうだね。あのー、それについてはいろいろ意見もらってるんですけど、
辻:
ええ。
ウ:
あのー、日本工業規格という性格上ですね、どうしてもあの、値段がついてしまう…、
辻:
ああ。
ヒ:
うん。
ウ:
というのがまあ、現状で、今回もそうなっちゃうかなーと。
辻:
はい。
ウ:
はい。
ヒ:
そういえば、ひとつお便りが届いていまして、
ウ:
おーっと!
辻:
おーっと!
ウ:
なんと!
辻:
はい。
ヒ:
ちょっと、紹介しますね。
ウ:
うん、
辻:
はい、
ヒ:
えーと、差出人が不明なんですが…、
ウ:
不明!
辻:
うーん。
ヒ:
ちょっと、読んでみますね。
ウ:
はい。
ヒ:
えーと、「5年目の 優しいJISが この秋に 改訂されたら 俺も買いてい」
ウ:
(笑)これは…短歌、ですかね?
ヒ:
短歌…、
ウ:
5・7・5・7・7…、なんかこう、センスがどことなく辻ちゃんに似てる気がする…、
辻:
(笑)そうですわたしです。あの、バレましたか?
ウ:
辻ちゃん!
辻:
僕です。
ウ:
自分で送った?
辻:
はい。
ヒ:
(笑)
辻:
いやー、なんかね、最近Listener's Voiceが、こう、ちょっと寂しいなーと思って送ってみたんですけど、どうですかね。
ウ:
だからってさあ。
ヒ:
(笑)
ウ:
なにもこんな手の込んだことしなくたっていいじゃない。
辻:
(笑)はい。恐縮です。ということで、アクセシビリティPodcast、本日も改訂版JISについて、ウエちゃんと、トークしていきたいと思います。
ウ:
はい。
ウエちゃんが、教えてあげる
辻:
はい。ということで、今回もお話ししていきたいと思います。まずあのー、やっぱりですね、改訂版JISの2009で一番…
ウ:
うん。
辻:
気になることといいますと、
ウ:
はい。
辻:
箇条7の、
ウ:
うん。
辻:
「ウェブコンテンツに関する要件」というところだと思うんですけれども、
ウ:
はい。
辻:
このへんの話を、じゃあ、今日、
ウ:
そうですね。
辻:
やっていきましょうか。
ウ:
じゃあちょっと前回のおさらいも兼ねて簡単に。
辻:
はい。
ウ:
えーと、2004年版では、箇条5に「開発および制作に関する個別要件」というのがありました。
辻:
はい。
ウ:
で、非テキスト情報とか文字とか、色および形、音、っていうふうに、ウェブページの構成要素ごとにガイドラインが分類されてたと思うんですけれども、えーと、2009年版ではですね、まず4つの原則として、知覚可能、操作可能、理解可能、そして堅牢性、というのがあってですね、で、その下に12のガイドラインがあって、さらに、1個1個のガイドラインの下に達成基準があるという構成になってます。というような話を前回したと思います。
辻:
はい。
ウ:
はい。
ヒ:
あとは2004年版にはソースコードやスクリーンショットなんかの、
ウ:
うん。
ヒ:
具体的な事例がいっぱい載っていたのが、
ウ:
うん。
ヒ:
2009年版ではそういう事例がなくなってしまった、という話も少し取り上げました。
ウ:
はい。じゃあ、具体的な内容を見ていく前にですね、まず最初にこの箇条7のウェブコンテンツに関する要件、この全体的な読み方を紹介していこうか。
辻:
おねがいしまーす!
ウ:
ブラジャー!あ、もといラジャー!
ヒ:
ウエちゃん!
(何かが叩かれる音)
辻:
うわー、痛そうですねー。
ウ:
痛いー。パパにも殴られたことないのに。
辻:
(笑)。そうきましたか。
ウ:
じゃあちょっと気をとりなおしてですね、
辻:
はい。
ウ:
えー、さっきも説明したようにですね、箇条7は4つの原則、それから12のガイドライン、で、61の達成基準という3つの階層で構成されてるわけなんですが、
辻:
はい。
ウ:
たとえばですね、じゃあ画像を使うときにはどうしたらいいか。なんですけど、これはまず、ひとつめの原則に、「7.1 知覚可能に関する原則」というのがあって、「情報およびユーザーインターフェイスの構成要素は、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない」というのがあります。で、その下のガイドラインに、「7.1.1 代替テキストに関するガイドライン」というのがあって、「すべての非テキスト要素には、代替テキストを提供して、拡大印刷、点字、音声、シンボル、平易なことば、などのような、利用者が必要とする形式に変換できるようにする」というのがあります。
辻:
はい。
ウ:
で、そのガイドラインの下に、達成基準として「7.1.1.1 非テキストコンテンツに関する達成基準」というのがあって、「利用者に提示されるすべての非テキストコンテンツには、同等の目的を果たす代替テキストを提供しなければならない」と。
辻:
なるほど。原則からガイドライン、そして達成基準へと移っていくにつれて、だんだん内容が具体的になっていくっていう感じですかね。
ウ:
そうですね。
辻:
はい。
ウ:
で、この達成基準には、「ただし次の場合は除く」っていうことで、
辻:
はい。
ウ:
6つの例外もありましてですね、
辻:
はい。
ウ:
まず、コントロールと入力、それから時間の経過に伴って変化するメディア、それから試験、感覚的、CAPTCHA、それから装飾・整形・非表示っていうのは、
辻:
はい。
ウ:
6つについてはそれぞれこうなっていればよいと、いうふうに例外になる条件というのが書かれてます。
辻:
CAPTCHAについても明記されてるんですね。
ヒ:
そういえば、Yahoo! JAPANで音声認証を開始したってニュースをみかけたんですけれども。
辻:
あ、僕がBlogに書きました。
ヒ:
そうですね。
ウ:
さすが辻ちゃん。で、ヒロちゃんが言った通りですね、達成基準にここまでしか書かれていなくって、2004年版みたいにソースコードね、とか一切ありませんと。
辻:
はい。
ヒ:
そこで、前回紹介したように、ここから先はWCAG 2.0の解説書であるUnderstanding WCAG 2.0を見ればいいと教えていただいたんですが。
ウ:
その通りですね。で、今のところはまだ完成ではないんですけども、日本語訳も公開されてますので、それを見てもらうかたちになります。で、JISの達成基準は7.1.1.1 というふうに、頭に7がついてるんですけども、その7を取ると、WCAGの達成基準の番号になります。だから例えば、JISで7.1.2.3 だったら、WCAGの1.2.3 と同じと。
ヒ:
うん、
辻:
はいはい。
ウ:
ということになりますね。
辻:
そのUnderstanding文書には、
ウ:
うん、
辻:
どんな事柄が書かれているんですかね。
ウ:
はい。えーとですね、まずは各達成基準について詳細な解説が用意されてます。
辻:
はい。
ウ:
で、実際に見ていくと、まず達成基準の意図っていうのがあって、なぜこの達成基準があるのかについて説明されてます。
辻:
はい。
ウ:
それから、達成基準の具体的なメリットっていうのがあって、これはその達成基準を満たすとどういうユーザーにどんなメリットがあるのかですね。
ヒ:
ふんふん、
ウ:
で、次に、その達成基準の事例として、実際にその達成基準を満たしたコンテンツの事例が文章で紹介されてます。
辻:
はい。
ウ:
で、さらに、関連リソース。で、これは、その達成基準に関連する情報を提供しているサイトだったり、あるいはチェックできるツールのページへのリンク集みたいなものですね。で、達成基準の実装方法および不適合事例というセクションがあって、
辻:
はい。
ウ:
ここでようやく具体的なテクニックがでてきます。
ヒ:
ふんふん、
ウ:
で、ここではですね、その達成基準を満たすことのできる実装方法、それからさらに対応が望まれる実装方法、そして、よくある失敗例という3つのセクションにさらに分かれてるんですけれども、ここにいろんなテクニックとかですね、失敗例がリストアップされてるかたちになります。
辻:
はい。
ウ:
で、たとえば、「H37 : img 要素の alt 属性を用いる」というテクニックのタイトルがリンクになってるんですけども、
辻:
はい。
ウ:
それを選ぶと、今度はそのテクニックの詳細を解説したページに行くという感じです。
ヒ:
なんだかものすごい情報量ですね。
ウ:
そうですね。達成基準によってですね、今のところまだ情報量に差があるんですけど、
辻:
はい。
ウ:
で、Techniques文書のページに行くとですね、各テクニックの詳細が説明されてるわけですが、まずそのテクニックが対象になる技術はどういう技術か、HTMLだけだったら、HTMLが対象になります、みたいなことですね。で、テクニック自体の解説、事例、この事例のところで、ソースコードの例なんかが入ってきたりします。で、リソースへのリンクがあったり、似たような関連するテクニックへのリンクがあったり。で、最後に検証方法、という構成になってます。
辻:
なるほど。あれ、でもTechniques文書は、英語なんですね。日本語訳は無いんですか?
ウ:
そうなんですよ。実はまだ準備中なんですね、これね。で、えーと、当然、日本語訳、というか日本語で読める文書も必要だっていうことで、今この日本語訳についてはですね、JISのワーキンググループだけではなくて、有志の人たちに手伝ってもらって、作業を進めているところです。
辻:
はい。
ウ:
はい。
辻:
えー、ということで、今日もまた時間が押してきてしまいました。
ウ:
ほう。
辻:
また後編で、もっと詳しい内容をお聞きしていこうかなと思います。
ウ:
はい。

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