「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第12回 後編
アクセシビリティPodcast、シーズン2の最終回となります第12回の後編はListener's Voiceです。
概要
第12回 後編では、先日いただきましたBlogのコメントへの回答ということで、複雑な内容の図についての話題をお届けいたします。
なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。
聴取方法のご案内
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なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。
それでは、どうぞお楽しみください!
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第12回 後編MP3ファイルのダウンロード
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第12回 後編 テキスト
- 植木、辻(以下、二人):
- 辻ちゃん、ウエちゃんのアクセシビリティPodcast、シーズンツー、ファイナル、いぇ~い!(拍手)
- 植木(以下、ウ):
- はい、えー、内容を拡大してお送りしております、アクセシビリティPodcast、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- それでは後半のListener's Voiceをお楽しみください。
Listener's Voice
- 辻:
- さ、えー、リスナーの方からいただいた質問に、辻ちゃん、ウエちゃんがお答えするListener's Voiceのコーナーです。
- ウ:
- はい、
- 辻:
- えー、今回、またBlogにコメントをいただいたんですが、
- ウ:
- はい、
- 辻:
- 実はですね、このコメント1月にいただいたものに、やっとお答えできることになりました。
- ウ:
- ね、ま、ちょっとね、収録の関係とかで、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- えー、ちょっとタイミングがよくなかったんですけど、
- 辻:
- お待たせしました。
- ウ:
- はい、じゃあ、えーと、僕の方から、ご紹介していきます。
- 辻:
- はい、
- ウ:
- え-、「こんにちわ。私はWeb制作を仕事としているハナマリと申します。」
- 辻:
- はい、
- ウ:
- 「いつも大変楽しく聞いてます。」 ありがとうございます。
- 辻:
- ありがとうございまーす。
- ウ:
- 「私は企業サイトを構築することが多く、」
- 辻:
- ええ、
- ウ:
- 「ガイドラインを作成するなどの仕事もしており、アクセシビリティに関して、日々勉強しています。」
- 辻:
- うーん。
- ウ:
- 「お二人の話はわかりやすく、また楽しいので今後もぜひ続けて欲しいと思っています。」
- 辻:
- うれしいですねー。
- ウ:
- いやぁー、シーズンスリー望んでるファンがいるってことですよね。
- 辻:
- うれしいですねー。
- ウ:
- はい、
- 辻:
- はい。
- ウ:
- 「ぜひ教えていただきたいことがあります。」
- 辻:
- はい。
- ウ:
- 「企業サイトには、よく組織図や、経営計画などの複雑な内容を図解した図があります。」
- 辻:
- はい、
- ウ:
- 「こういったものはaltでは表現しきれません。このような複雑な図を音声ブラウザで理解いただくことはやはり難しいのでしょうか? 辻様は組織図などはどのように理解されるのでしょうか?」
- 辻:
- うーん。
- ウ:
- 「色々調べたのですが、複雑な図に関する解決方法はみつかりませんでした。お二人の見解を伺えればうれしく思います。よろしくお願いいたします。」
- 辻:
- はい、
- ウ:
- ということで、組織図。
- 辻:
- 難しいですよね、たしかにねー。
- ウ:
- で、えー、これ辻ちゃん、組織図は、普段どんな風に?
- 辻:
- えーとですね、やっぱり、組織図、って聞いた段階で、
- ウ:
- うん、
- 辻:
- あー、きっと複雑なんだろうなぁ、と思って、あの、altを聞いても、組織図、ってしか書いてないこととかあったりするじゃないですか。
- ウ:
- あー、
- 辻:
- ページ開いても、組織図って2回読まれておしまい、みたいな、
- ウ:
- あ、見出しの組織図と、
- 辻:
- そうそうそう。
- ウ:
- altの組織図。
- 辻:
- はい。そういうことがあるんで、
- ウ:
- うん、
- 辻:
- 結構スルーしちゃってる、むしろ、その、組織図って書いてあるところはあけなかったりしますね。
- ウ:
- ああ、なるほどですね。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- で、まあその、企業サイトだと組織図ってだいたいこうあったりするわけですけれども、
- 辻:
- はい。
- ウ:
- えー、じゃ、それどうするか、と、いうことで、えー、ま、ウエちゃんなりにですね、えー、考えてきたんですけど、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- 2つ、方法があるかなあ、と。
- 辻:
- なるほど。
- ウ:
- で、ひとつは、ま、その組織図、全体をですね、ま、画像にして、代替テキストで、その組織図の内容を説明する、と。
- 辻:
- うーん。
- ウ:
- いうのがひとつ。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- で、もうひとつは、えー、画像を使うんじゃなくて、ま、マークアップで何とかできないかな、と、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- いうことで、ま、例えば、リスト、を使ってですね、リストでマークアップして、で、こう、入れ子にしながら、こう階層構造を示してあげる、
- 辻:
- なるほど、
- ウ:
- っていう方法、ま、このふたつが考えられるかな、と。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- えー、思ってきたんですけど、まあ、あの、画像にして代替テキストにする場合は、さっき辻ちゃんが言ったように、ただこう組織図って書いただけじゃ、まったくね、その、画像が伝えている情報を、伝えていることにはならないので、
- 辻:
- そうですね。
- ウ:
- えー、そうではなくって、きちんとその、組織図、に書かれている、えー、内容をですね、えー、代替テキストに書かなきゃいけないと、
- 辻:
- うーん。
- ウ:
- いうことなんですけど、
- 辻:
- これ、でも書き方、あの、確かに難しいですよね、
- ウ:
- うーん。
- 辻:
- 図ですからね。
- ウ:
- なので、あの、これ、よく、昔から言われている、アドバイスなんだけれども、
- 辻:
- はい。
- ウ:
- その図を、電話越しに、
- 辻:
- うん。
- ウ:
- 電話で、その図を見ていない人にですね、電話でこう、どういう図かを説明する、時のことを考えて、みてください、
- 辻:
- ははあ、なるほど。
- ウ:
- ていうですね、そういう、その、代替テキストを考えるときに困ったら、電話でその、図を説明する時にどう説明するかってのを考えると、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- いい代替テキストがかけますよ、っていうね、アドバイスがあるんですけど、
- 辻:
- なるほど。
- ウ:
- たぶん、組織図なんかもそれかな、と。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- で、まあ、あのー、大企業とかになると、組織図もすごく、こう、複雑だったり、枝分かれたくさんしてたりするので、
- 辻:
- そうですよね、はい。
- ウ:
- ま、文章にすると、すごい長くなっちゃうかもしれないんですけど、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- えー、まあ、それはやっぱり情報として伝えているものなので、
- 辻:
- うん。
- ウ:
- えー、やっぱり、できるだけ頑張って、えー、言葉で説明してあげる、のが、まあ必要なんじゃないかなぁ、と。
- 辻:
- そうですねぇ。
- ウ:
- ま、文章に書き換えたら難しいんですけどね。
- 辻:
- うん、ただ、このー、組織図とか、こういった情報って、すごい、こう、重要な情報だったりするじゃないですか、
- ウ:
- うーん。
- 辻:
- だから、その情報をほしいと思ってる、音声ブラウザ、スクリーン・リーダーユーザーの人も、たくさんいらっしゃると思うんですよね。
- ウ:
- あとその、経営計画の図、とかね。
- 辻:
- そうですね。
- ウ:
- これたぶん、事業展開プランなんかを、こうわかりやすく、図で示してるケースってありますけど、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- やっぱり、それもなんとか、言葉にして、もし、その、ページで、テキストでこう説明していないんであれば、
- 辻:
- うん。
- ウ:
- その、画像だけで説明してるんであれば、やっぱりちゃんとその図が伝え、たいこと、伝えたい内容を、えー、文章にして、代替テキストとして書いてあげる、っていうのがたぶん、必要なのかな、と。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- 思います。で、リストでマークアップするっていうもう一個の方法なんですけど、まあ、あのー、マークアップ、で、階層構造、まあ入れ子にすれば、伝えることができるかなー、と思いつつ、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- でも、実際、特にその読み上げ、聞いてるユーザーの人は、入れ子にしてある、リストのマークアップから、こう、階層構造を理解することができるのかなぁって思いながら、今日来たんだけども、辻ちゃんどう、このへんは?
- 辻:
- あのーですね、JAWSでは、リストが、入れ子になってると、
- ウ:
- うん。
- 辻:
- ネストレベル1とか、ネストレベル2っていった感じで、
- ウ:
- あー、
- 辻:
- あのー、まあ入れ子になってるよ、ってのを表現はしてくれるんです、
- ウ:
- なるほどね。
- 辻:
- ただ、言葉がネストレベルって難しいですよね、
- ウ:
- うん、まあ、たしかにね。
- 辻:
- だから、その、果たして、そのネストレベル1って聞こえたときに、あ、入れ子だ-、って、あのユーザー側がすぐに理解できるかどうか、ちょっと難しいところなんですけど、まあ、あのー、使ってる音声ブラウザや、スクリーン・リーダーの種類によっては、理解することができるかと思います。
- ウ:
- なるほどね、でも、そのへんは、JAWSだけ? もしかしたら。
- 辻:
- そうですね。
- ウ:
- まだ、他のソフトは、そこまでの情報は読み上げてはくれない。
- 辻:
- そうですね。はい。
- ウ:
- かな。なるほど。ていうとやっぱり、マークアップよりは、代替テキストで説明する、というのが、ベターな、方法なのかもしれないですね。
- 辻:
- そうですね。あとは、
- ウ:
- うん。
- 辻:
- 僕、考えてきたのは、どうしてもこう、難しい図を表現できない場合は、あの、問い合わせ先の情報を掲載してあげるっていうのも、ひとつの手段じゃないかな、まあ、最終的な手段になっちゃうと思うんですけど、
- ウ:
- なるほどね、うん、ま、電話でもいいし、メールでもいい、とかね、なんでもいいよね。
- 辻:
- そうそうそう。はい。
- ウ:
- うん。
- 辻:
- そうすれば、ページを訪れた人が、その情報をほんとにほしいときには、直接これについての情報が欲しいんですけどって、問い合わせることができますよね。
- ウ:
- そうですね。なるほど。まあ、代替テキストにする場合、えー、例えば社長を筆頭に、
- 辻:
- はい、
- ウ:
- その下に取締役会があって、えー、第一事業部、第二事業部、第三事業部があり、で、第一事業部の中には、なになに部、なになに課があり、みたいな感じで、
- 辻:
- はい。
- ウ:
- ま、たしかにこうやって考えてると、結構長い文章になりそうなんだけど、
- 辻:
- そうですねー。
- ウ:
- まあ、でも、同じ情報を伝えるためには、代替テキストを使うのが、現時点ではベターかな、と。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- いう感じですね。
- 辻:
- はい。
- ウ:
- はい。
- 辻:
- ということで、えー、お答えになりましたでしょうか? えー、アクセシビリティPodcastでは、引き続き皆様のご質問、ご感想などをお待ちしております。
- ウ:
- はい。
- 辻:
- えー、Blogのコメントか、メールでお寄せください。
- ウ:
- はい、宛先は?
- 辻:
- はい、a11y、アットマーク、mitsue.co.jp。a11y、アットマーク、エム、アイ、ティー、エス、ユー、イー、ドット、シーオードットJPです。
- ウ:
- はーい。
- 辻:
- ということで、アクセシビリティPodcast、いよいよ第2シーズン最終回となりました。えー、アクセシビリティPodcastは引き続き、シーズンスリーに突入することが決まりました。
- ウ:
- いえ~い。(拍手) シーズンスリー!
- 辻:
- はい。
- ウ:
- 突入!
- 辻:
- そうですね、
- ウ:
- はい!
- 辻:
- えーと、次回はですね、わたしたちがあの、CSUNのコンファレンスに出張しますので、
- ウ:
- はい。アメリカから帰ってきてから、
- 辻:
- はい。4月になってから、えー、放送をお届けしようかと思います。
- ウ:
- シーズンスリーはまずあれだね、アメリカのお土産ばなし、
- 辻:
- そうですね、
- ウ:
- なんかをこうお届けしていけたら、と思いますね。
- 辻:
- はい。えー、今後ともよろしくお願いいたします。
- ウ:
- はい。
- 辻:
- ということで、アクセシビリティPodcast、ミツエーリンクスのスタジオからお送りいたしました。それでは、
- 二人:
- アディオス、アミーゴス!
コメント
はじめまして。毎回楽しみに拝聴しています。
今回の「図」についてのお話、とても勉強になりました。なかなか難しそうですが、電話越しに説明するというヒントを生かして、なるべくわかりやすくできたらなあと思いました。
今後機会がありましたら、携帯サイトやフラッシュのアクセシビリティについてのお話も聴かせてください。よろしくお願いします。
シーズンスリーも楽しみにしています。
takahashi様
コメントをいただきまして、ありがとうございました。
今回の複雑な図の表現方法につきまして、参考にしていただけるとのこと、大変うれしく思っております。
また、携帯サイトやフラッシュのアクセシビリティにつきましても、リクエストをいただきましてありがとうございました。私も日常的に携帯電話向けのコンテンツを閲覧しておりますし、FlashはいまやWebを閲覧するうえで避けては通れない重要なものですので、機会を見つけて取り上げたいと思います。
今後ともアクセシビリティPodcastをどうぞよろしくお願いいたします。
辻様 植木様
ご回答大変ありがとうございました。ハナマリです。
こうして取り上げていただき本当に感謝してます。
ご回答とても参考になりました。
最近構築したサイトで、超複雑な組織図があったのですが、結局よい案が思い浮かばず、「画像:********会社の組織図」としてしまったのでした。。よくなかったですね、これは。。
せめて第二階層までの組織までは説明するなどすればよかったです。
今後は、組織図もしっかりaltで説明したいと思います。
確かJAWSではaltを150文字までしか読み上げませんでしたよね。それも考慮しつつになるとかなり制約の中での説明になるとは思いますががんばります。
最近、ユーザーテストに関するセミナーで、音声ブラウザを利用されている方の操作を拝見することができました。
アクセシビリティに優れていると、ある雑誌で高く評価された自治体のサイトが対象でしたが、その方は全く目的を達成できず、サイトの中を右往左往していて、衝撃を受けました。改めてアクセシビリティの必要性と難しさを実感した次第です。
またその自治体は、高評価されたことで、アクセシビリティに優れていると勘違いすることも怖いなと思います。
アクセシビリティを評価する機関も、責任を持ってやっていただきたいと強く思いました。
長々と書いてしまってすみません。
シーズンスリーも楽しみにしてます。
お二人のこうした取り組みは本当にすばらしいと思います。
またご質問させていただくこともあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
ハナマリ様
コメントをいただきましてありがとうございます。
複雑な図の説明についての私とウエちゃんの議論を参考にしていただけるとのこと、大変うれしく思っております。
さて、ご紹介いただきましたユーザーテストにつきましては、さまざまなケースが想定されるかと思います。
1. サイトにアクセシビリティ上の問題があるケース
2. サイトにユーザビリティ上の問題があるケース
3. テストを行っている方の音声ブラウザについての成熟度に問題があるケース
もちろん、これらすべての原因が重複して問題が発生するようなケースもあるかと思います。
ですので、一言で「このサイトにはアクセシビリティ上の問題がある」と言い切ってしまうのは難しいのではないかと考えられます。
いずれにしましても、アクセシビリティに関するランキングを公開する方、ユーザーテストを行われる方には、その情報の信憑性につきまして十分にご検討いただく必要があるのではないかと私は考えております。
今後ともアクセシビリティPodcastではこのような事柄も考慮しつつ、情報を発信していきたいと考えております。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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