JAWS for Windows 9.0 Public Beta公開
10月2日に、米国Freedom Scientific社から次期バージョンのJAWS、Version 9.0のベータ版が公開されました。本エントリーでは、JAWS for Windows 9.0 Public Betaで新たに追加された機能の一部をご紹介します。なお、今回公開されたBeta版はまだ開発途中のものであり、予期せぬ問題を含んでいる可能性があります。ご使用になる際はご自身の責任でご利用ください。
Gmailインターフェースのサポート
スクリーン・リーダーを使用してGmailのWebインターフェース上でメッセージを書いたり、設定を変更したりすることは大変な作業でした。そのためGmailには、簡易HTML表示という代替手段が用意されています。今回のBeta版JAWSでは、簡易HTML表示に切り替えなくても通常のHTML表示画面の中で、今までキーボードからはアクセスしづらかった「メッセージを書く」や「設定」といった項目をEnterキーで開くことができるようになりました。
またGmailのページは複数のフレームから構成されており、筆者はしばしば自分が探している情報がどこにあるかを発見するのに苦労していましたが、新しいJAWSではページが切り替わるたびにどのフレームが更新されたかを通知するようになった点も便利だと感じました。
クリップボード経由でのHTMLドキュメントのコピー
JAWSのバーチャルバッファに表示されたWebページなどのドキュメントをクリップボードにコピーして、別のアプリケーションに貼り付けた場合、今まではJAWSの出力メッセージを含んだテキスト情報がコピーされていました。Version 9.0ではこのバーチャルバッファ経由での情報のコピーが改善され、Internet Explorerを使用した場合、HTMLドキュメントをそのままの書式情報を含んだ状態でコピーできるようになりました。この機能を使用すれば、例えばWebページの内容をコピーして電子メールやWordに貼り付けることで、書式や色などのHTMLの情報を、そのまま利用できるようになります。もちろん、従来のJAWSのメッセージを含んだテキスト情報をコピーすることもできるので、用途に応じて使い分けることができます。
新しくなったAdjust JAWS Optionダイアログ
JAWSを使用中に、一時的に記号の読み方などの設定を変更するために使用するAdjust JAWS Optionダイアログ(Insert+Vキーで表示)のスタイルが、従来のリストビューからツリービュー方式に変更になりました。これにより、Insert+Vキーを押して開くオプションが項目別に分類され、よりわかりやすくなりました。
この他にも、Microsoft WordやExcelの読み上げなど、さまざまな機能が強化されています。進化を続けるJAWSに、今後も注目していきたいと思います。
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