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アクセシビリティBlog

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2008年3月11日

動画で学ぶ支援技術 スクリーン・リーダー篇 第1回

アクセシビリティ・エンジニア 辻

筆者は日常的に、コンピュータの画面情報を音声や点字にして読むことのできるスクリーン・リーダーというソフトウェアを使用しています。コンピュータを使用する場合、画面に書かれている内容をそのままでは読むことのできない、もしくは困難である視覚障害者にとって、このスクリーン・リーダーをはじめとした支援技術はなくてはならない存在です。
今回は特に、視覚障害者である筆者が使用しているスクリーン・リーダーを取り上げていますが、今後もさまざまな支援技術についてご紹介していきたいと考えております。

それでは、当Blogでもしばしば取り上げることのあるこのスクリーン・リーダーとは、どのようなものなのでしょうか?
今回は、当社のWebサイトで公開を始めた「動画で学ぶ支援技術 スクリーン・リーダー篇」で、実際にその音声や画面をご覧いただきたいと思います。

動画の公開にあたって

当社が過去に行ってきたセミナー終了後に、「初めてスクリーン・リーダーを実際に操作しているところを見ました」と感想をいただくことが多く、以前からもっと多くのWebに関わる方に、さまざまなWebの閲覧環境のひとつとして、スクリーン・リーダーについて知っていただきたいという思いがありました。

そうした中、あるとき同僚から、「英語版だけど、スクリーン・リーダーについて詳しく紹介された動画があるよ」と教えられたのがAn Introduction to Screen Readersというコンテンツです。このコンテンツは、Yahoo!のアクセシビリティ・プログラムマネージャーのVictor Tsaran氏によって作成されたもので、スクリーン・リーダーがどのようなものなのかを、実際に操作しながら紹介するという内容でした。

このコンテンツと同じように、スクリーン・リーダーをわかりやすく紹介する動画コンテンツを日本でも提供したいというのが、今回の動画を制作することになった理由です。

第1回:スクリーン・リーダーとは?

最初に作成したのは『スクリーン・リーダーとは?』というコンテンツで、スクリーン・リーダーがどのようなものなのか、どのような種類があるのか、そしてスクリーン・リーダーとともによく取り上げられる音声ブラウザとはどのようなものなのかについて、10分くらいにまとめて紹介しています。

動画がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。第1回スクリーン・リーダーとは? テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。

今後の予定

スクリーン・リーダーについてご存じない方から、すでにスクリーン・リーダーをご利用中の方まで、多くの人にとって有益なコンテンツになるよう、今後も情報発信を続けていきたいと思います。
このコンテンツに関するご意見ご感想をぜひお寄せください。a11y@mitsue.co.jpでお待ちいたしております。

今後はさらに、以下のようなテーマでコンテンツを公開していく予定です。

第1回スクリーン・リーダーとは? テキスト

辻 勝利:
こんにちは、私はミツエーリンクスでWebアクセシビリティ関連の業務を担当しております辻 勝利と申します。先天性の全盲で、日常生活や仕事などのあらゆる場面でコンピューターを使用しております。高校時代のアメリカ留学をきっかけに18年ほど前からコンピューターを利用するようになりました。現在はWindows XPをインストールしたPCを使用しております。
私は全盲ですので、コンピューターの画面を見ることができません。そこでスクリーン・リーダーというソフトウェアを使用して、コンピューターの画面内容を確認しています。今までに、必要に応じて国内で利用されている多くのスクリーン・リーダーを使用してきましたが、現在は主にJAWSというスクリーン・リーダーを使用しております。
このコンテンツは、主に視覚障害者がコンピューターを使用する際に利用しているスクリーン・リーダーとはどのようなものなのかをご紹介するために作成しました。Web制作に携わる方、コンテンツを管理・提供していらっしゃる方、そしてスクリーン・リーダーを実際に使用していらっしゃるユーザーの方にとって役立つようなものを目指しております。このコンテンツに関するご意見、ご感想などは、a11y@mitsue.co.jpまでメールでお寄せください。
スクリーン・リーダーは、コンピューター上で動作するソフトウェアで、画面に表示された内容のうち主にテキスト情報を音声や点字にして出力することができます。音声はコンピューターに接続されたスピーカーやヘッドフォンなどから出力され、点字は、このような点字ディスプレイという装置に出力されます。利用者は音声を聞いたり出力された点字を読むことで、コンピューターの画面上に表示されている内容を知ることができます。それでは実際に、スクリーン・リーダーの音声を聞いていただきましょう。今回はPC-Talker、JAWS、FocusTalkという3種類のスクリーン・リーダーの音声を聞いていただきます。男性音や女性音など、スクリーン・リーダーではユーザーの好みに応じて、あるいは読み上げられる情報の種類に応じて音質を変えて内容を読むことができます。また、読み上げ音声の早さも、必要に応じて変更できます。それではPC-Talkerを使って、メモ帳で文字を入力し、内容を読んでみましょう。
PC-Talkerの音声:
空行、変換、停止、日本語変換、カ、ブ、シ、キ、株式の株、式典の式、会社の会、会う、社会の社、ミ、ツ、エー、バー、リ、エヌ、ン、ク、ス、ミー、
辻:
今、株式会社ミツエーリンクスと入力しました。その内容を読ませますと、改行、株式会社ミツエーリンクスこのように読み上げられます。今度はPC-Talkerの女性音を紹介します。ワードパッドを使って同じように文字を入力してみます。
PC-Talkerの音声:
カ、ブ、シ、キ、株式の、株式会社、エム、ミ、ツ、エー、バー、リ、エヌ、ン、ク、ス、ミー、
辻:
ミツエーリンクスと入力します。
PC-Talkerの音声:
改行、改行、株式会社ミツエーリンクス、
辻:
このようにワードパッドでも画面に表示された内容を読み上げることができます。それでは次に、JAWSを使って、メモ帳で文字を入力してみます。
JAWSの音声:
カ、ブ、シ、キ、エイチ、変換、株式の株、方式の式、会うの会、社会の社、株式会社、ミ、ツ、エ、長音、リン、ク、ス、変換、ミツエーリンクス、エンター、
辻:
そして内容を読ませてみます。
JAWSの音声:
フォーム、株式会社ミツエーリンクス。
辻:
このようにメモ帳で内容を読ませることが出来ます。今度はJAWSの女性音を使って、ワードパッドで文字を入力してみます。
JAWSの音声:
カ、ブ、シ、キ、ガ、イ、シャ、変換、株式の株、方式の式、会うの会、社会の社、株式会社、ミ、ツ、エ、長音、リ、エヌ、ン、ク、ス、変換、カタカナ、ミツエーリンクス、エンター、
辻:
そして内容を読ませてみます。
JAWSの音声:
フォーム、株式会社ミツエーリンクス、
辻:
ワードパッドでも入力された文字を読み上げることができます。次にFocusTalkの男性音を使って、メモ帳で文字を入力してみます。
FocusTalkの音声:
カ、ブ、シ、ケー、キ、株式会社の株、入学式の式、会うの会、社会の社、株式会社、ミ、ツ、エ、長音、リ、エヌ、ン、ク、ス、ミツエーリンクス、
辻:
そして内容を読ませてみます。
FocusTalkの音声:
株式会社ミツエーリンクス、
辻:
このようにメモ帳の画面内容を読むことができました。
最後にFocusTalkの女性音を使って、ワードパッドで文字を入力してみます。カ、ブ、シ、ケー、キ、株式会社の株、入学式の式、会うの会、社会の社、株式会社、ミ、ツ、エ、ー、アール、リ、エヌ、ン、ク、ス、全角カタカナ、ミツエーリンクス、
辻:
そして内容を読ませてみます。
FocusTalkの音声:
株式会社ミツエーリンクス、
辻:
スクリーン・リーダーはこのように、画面の内容を読み上げることができるソフトウェアですが、アイコンや写真などの画像情報はそのままでは読むことができません。例えばこのアイコンは「マイコンピュータ」だとか、これは「OKボタン」のように、それぞれの画像にそれをどう読むかを指定してやる必要があります。スクリーン・リーダーには、ここで紹介したものの他にもいくつかの種類があります。高価なものもあれば、比較的安価なもの、そして無料で公開されているものまで様々です。スクリーン・リーダーの種類によって、読み上げられるアプリケーションの種類も異なっています。利用者は、自身がどのようなソフトウェアを使用したいのかによって、利用するスクリーン・リーダーを選ぶ必要があるのです。スクリーン・リーダー利用者が皆すべての機能を十分に利用できるわけではありません。そのスキルは人によってさまざまです。丁度コンピューター利用者に、さまざまなスキルの人がいるのと同じです。Webアクセシビリティに関する話題の中で、スクリーン・リーダーとともに紹介されるのが、音声ブラウザです。音声ブラウザは、特にWeb閲覧に特化したソフトウェアで、スクリーン・リーダーのようにWindowsの基本操作や他のアプリケーションの画面を読みあげる機能は持っていません。現在はホームページ・リーダーというソフトウェアが多く利用されています。視覚障害者の方だけでなくWeb制作者の方にも利用されています。最近の動向としましては、昨年2007年10月にNetReaderという新しいソフトウェアが登場しました。今回は、そのNetReaderの音声と、画面内容もご紹介します。NetReaderは、先ほどご紹介したPC-Talkerと連携して動作します。これは、NetReader起動時の検索画面です。例えば「アクセシビリティBlog」という文字列を検索してみましょう。
NetReaderの音声:
(電子音)ウェブ検索ページ、検索キーワード、(電子音)エディット、テキストのエディット、(テキストを入力するウィンドウが開き、そこに文字を入力しています)ア、ケー、ク、セ、シ、ビ、リ、ア、テ、イ、ア、ク、セ、シ、ビ、リ、テ、イ、(電子音)B、l、o、g、全角、ひらがな、ローマ字変換、(電子音)ウェブ検索、検索キーワード、エディット、(電子音)アクセシビリティBlog、検索エンジン、(電子音)検索のプッシュボタン、(マウスのクリック音)(画面が切り替わり、検索結果ページが表示される)アクセシビリティ、アクセシビリティBlog、Google、日本語検索、Google、日本語、アクセシビリティBlog、検索結果約131万件中1から10件目、1、アクセシビリティBlog、メゾット、ミツエーリンクス、株式会社ミツエーリンクスよりアクセシビリティBlogをお届けいたします。
辻:
このように検索結果が表示されます。NetReaderには、スクリーン・リーダー利用者だけでなく、画面が見づらい弱者の方々をサポートするために、画面拡大機能があります。この画面を拡大してみましょう。
NetReaderの音声:
拡大1、(画面上の文字が拡大され、一行に全角文字が36文字表示されています。)
拡大2、(さらに画面の文字が拡大され、一行に全角文字が31文字表示されています。)
拡大3、(さらに画面の文字が拡大され、一行に全角文字が19文字表示されています。)
拡大4、(さらに画面の文字が拡大され、一行に全角文字が12文字表示されています。)
拡大5、(さらに画面の文字が拡大され、一行に全角文字が8文字表示されています。)
拡大6、(さらに画面の文字が拡大され、一行に全角文字が6文字表示されています。)
辻:
このように、画面が拡大されます。今回は、スクリーン・リーダーはどのようなものなのか、どのような種類があるのかについてお話してきました。また、Webサイトの閲覧に特化した音声ブラウザについてもご紹介しました。次回はもう少し、スクリーン・リーダーとはどのようなものなのか、基本的な基本的な使い方についてご紹介したいと思います。

コメント

辻さん、うえちゃん、いつも楽しませていただいてます。
今回はたいへん興味深く拝見しました。
スクリーンリーダーで株式会社と入力するときに、

株式のかぶ
入学式のしき
あう かい

のように、和文通話法というか、フォネティックコードというのか、要するに、あさひのあ、いろはのい みたいなよみあげですが、これはすべての漢字に対してこのように読んでくれるのですか? それとも、数に制限があるのですか?

お時間のあるときにでも教えてくださいますか。次回も楽しみにしております。

Posted by: 福島裕子 : 2008年4月15日 12:57

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