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Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。

2006年11月29日

情報アクセシビリティ国際標準化セミナー2006

アクセシビリティ・エンジニア 中村

11月27日の月曜日、「情報アクセシビリティ国際標準化セミナー2006-JIS X 8341-3(ウェブコンテンツ)とW3C WCAG 2.0 の協調-最終草案に見るWCAG 2.0の方向性」という財団法人 日本規格協会 情報技術標準化研究センター主催のセミナーに参加させていただきました。

W3C/WAIのメンバーが日本で講演を行う貴重な機会であることもあり、多くの方が来場されておりました。

さて、気になるその内容ですが、下記のようなプログラムが中心でした。

詳細につきましては、各講演タイトルのリンク先にて資料をご確認ください。
以下は、筆者が気になったことやポイントを各講演ごとに少しまとめてみたいと思います。

国際セミナー開催の意義

まず、情報アクセシビリティ国際標準化調査研究委員会の委員長、およびウェブコンテンツの国際規格化計画推進部会で主査を務められております渡辺教授からは、「国際セミナー開催の意義」ということで、今回のセミナー開催の意義、概要ならびに国際規格と日本国内の規格すなわちJISとの関係についての説明がありました。

W3Cが進めるWebアクセシビリティ

続いて、「W3Cが進めるWebアクセシビリティ」というタイトルで、Judy Brewer氏が講演を行いました。W3C/WAIの簡単な紹介から始まり、W3C/WAIがいかにしてWebアクセシビリティを推進しているかについての講演でしたが、以下のような点が印象に残りました。

特にひとつめですが、アクセシビリティがひとつの主たるドメインとして確立しているということは、氏も言及していたように他では例を見ないと思いますし、重要なことではないかと思います。

WCAG 2.0入門

W3C/WAIからの二人目の講演者はShawn Lawton Henry氏です。「WCAG 2.0入門」ということで、WCAG 2.0の特徴、WCAG 1.0との違い、その具体的な例などについて取り上げておりました。また、さまざまなWCAG 2.0のドキュメント、いわゆるガイドライン本体だけではなく、WCAG 2 FAQや、クイックリファレンス(草案)などをはじめとする非常に有益な文書についての言及もありました。これらの文書については取り上げられる機会も少ないのですが、Webアクセシビリティの理解、実践への大きな助けとなるのではないでしょうか。

WCAG 2.0の技術解説

次に、休憩を挟みまして、Michael Cooper氏による「WCAG 2.0の技術解説」と題した講演がありました。本講演ではタイトルからもわかるように、より詳細な技術についての解説が具体例を交えながらなされました。いくつか紹介されていたキーコンセプトの中でも、筆者が注目しているのは、"Programatically determined"(プログラム的に決められていること、と訳されています)の部分で、具体的には、支援技術にもコンテンツの状態、プロパティなどが伝わらなければならない、ということです。これは、WCAG 2.0ではたびたび出てくる文言で、非常に重要なコンセプトなのですが、理解しづらいことも確かであり、今回のような事例を使った説明などで理解を広めていく必要があるのでは、と感じました。

JIS X 8341-3 とWCAG 2.0の協調

Cooper氏の後を受けて、「JIS X 8341-3 とWCAG 2.0の協調」というタイトルで植木氏が講演されました。こちらもタイトルどおり、主にJIS X 8341-3 とWCAG 2.0の比較を中心とした講演となりました。注目しておきたい点としては、今後JIS X 8341-3の方でもWCAG 2.0との差分を吸収していくべく改訂が検討されていること、WCAG 2.0がテスト可能であることと関連して、JIS X 8341-3においても適合性評価の検討が始まっていること、が挙げられるでしょう。

質疑応答

セミナーの最後には、質疑応答が行われました。時間の都合もあり限られた数の質問となってしまいましたが、Judy Brewer氏を中心としてWAIのメンバーから大変丁寧な回答がなされていました。短い時間ながらも、

といった有益な情報が含まれる、内容のあるセッションでした。

以上で3時間半にわたるセミナーが締めくくられたわけですが、非常に有意義なセミナーでした。今回参加できなかった方も、公開されている資料に目を通してみてはいかがでしょうか。

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