Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
2006年08月21日
特定のブラウザに依存しないアクセシビリティ
アクセシビリティ・エンジニア 辻
皆様は、「このサイトは、ブラウザAのバージョンXでご覧ください」というような文言が、Webサイト上に記述されているのをご覧になったことはありますでしょうか?
実際そのWebサイトは、他のブラウザで閲覧しようとすると何らかの不具合がありました。
さて、このような状況は、アクセシビリティに対応したWebサイトも例外ではありません。つまり、特定の音声ブラウザでしか機能しないアクセシビリティ対応項目があるのです。
以前、あるWebサイトが「アクセシビリティ対応した」との情報を聞き、調査のために訪れたことがあります。
ページ内のナビゲーションを読み飛ばす機能、スクリーン・リーダーでもわかりやすい解説など、確かによくできたWebサイトだと感じました。
しかし、別のスクリーン・リーダーの利用者の方から、同じWebサイトにアクセスしても、「どこがアクセシビリティ対応されたのかわからない」という話を聞き、スクリーン・リーダーを切り替えて再度アクセスしてみました。すると、確かに別の環境で私がアクセスしたときとは異なり、ページの内容を把握することが困難でした。
このように、Webアクセシビリティに対応したサイトにつきましても、閲覧者の利用しているスクリーン・リーダーや音声ブラウザの環境によっては、コンテンツを提供する側の意図したとおりに読み上げが行われないケースがあります。考えられる解決策としては、
- 標準的な技術を用いてWebサイトを構築する
- できるだけ多くのスクリーン・リーダーや音声ブラウザで、意図したとおりに読み上げが行われるかを確認する
があると思います。
せっかくのアクセシビリティ対応ですから、その情報を伝えたい人々が正しく情報を受け取れるよう、コンテンツを提供する側の方々に確認をお願いしたいと思います。