Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
2006年07月19日
Web標準(の日)とアクセシビリティ
アクセシビリティ・エンジニア 中村
去る7月15日土曜日「Web標準の日」というイベントが開催されました。イベントの詳細につきましては公式サイトにてご確認いただくとして、当BlogではWeb標準の日の中で語られていたWeb標準とアクセシビリティの関係について考えてみたいと思います。
まず、講演中でアクセシビリティが取り上げられた例ですが、セッションAでサイバーガーデンの益子 貴寛氏は、「Web標準準拠における短期的な経済効果」のひとつ、また「機会損失の防止」という観点からアクセシビリティを挙げられていました。
そしてセッションDでは、Webアクセシビリティ分野の第一人者であるインフォアクシアの植木 真氏がアクセシビリティの観点からWeb標準を考える、ということでSEOとの共通点などを含めた広い視野から、「Web標準を構成する要素としてアクセシビリティを考えることができる」との旨を述べられておりました。
その他にも、基調講演からパネルディスカッションまで、Web標準の日というイベントの中で随所に「アクセシビリティ」というキーワードが登場していて、改めてWeb標準とアクセシビリティの関係について考えることができた一日だったのではないかと思います。
さて、アクセシビリティという観点からWeb標準を考えたときに、「“Web標準準拠”がアクセシビリティの土台」である、という植木氏の表現を理解することが非常に重要だと思います。すなわち、Web標準を前提としてオーサリングツールが開発され、それを利用してWebコンテンツが制作され、そのコンテンツをユーザーエージェントが正しく解釈できるようになれば、あとはコンテンツの内容をアクセシブルにすればよい、ということになるわけです。もちろん、これが一番難しいわけですが。
Web標準(の日)とアクセシビリティ。数日間の間に参加した皆様のBlogなどをいくつか拝見しましたが、中には、初めてその関係に気づいた方もいらっしゃったようですし、また改めてその関係を認識された方も多かったようです。そういった意味では、アクセシビリティという観点から見ても、価値のあるものであったと思いますし、今後もより多くの人に正しい認識が広がっていけばよいな、と思いました。