Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
2006年05月10日
Googleアカウントのアクセシビリティ対応
アクセシビリティ・エンジニア 辻
今回から、このアクセシビリティBlogの原稿を、2名体制で書いていきたいと思います。
本日の原稿は、全盲のネットサーファーの立場で、辻が担当いたします。
全盲のネットサーファーである私のお気に入りは、検索エンジンのGoogleです。その理由は、表示されるページの構成が比較的シンプルであること。音声で画面情報を読み上げるブラウザを使用している場合は、とても使いやすいと感じています。
今までは検索エンジンとしてのみ利用してきたGoogleですが、サイト内に登場する「パーソナライズド ホーム」や「ログイン」というリンク項目が気になるようになりました。昨年、そのページにアクセスして、自分もアカウントを取得してみようと思い立ち、「今すぐアカウントを作成」というリンク項目を開いてみました。
一通り、アカウントを取得するための情報を入力してそれを送信しようとしてふと手が止まりました。
「下の画像に表示されている文字を入力してください。」
と書かれていたのです。とっさに「ああ、ここでもスクリーン・リーダーでは読むことのできないCAPTCHAが使用されているんだな」と、やや不満ながらあきらめてページを閉じたのでした。
今年の4月に入り、このアカウント取得のページにアクセスする機会がありました。他の人に画面を見ていただきながら、アカウント取得を行おうと考えたからです。ところが、情報入力を済ませてページを読み進めていくと、去年はなかった「聞こえた番号を入力します」というリンクがあることに気がつきました。そのリンク先を開いてみると、「ポンポンポン」という警告音が聞こえた後、数字が聞こえてきました。
驚いたと同時に、スクリーン・リーダーを使用している自分にも、独力でアカウントが取得できるようになったということを大変うれしく思いました。
実際にアカウントを取得して、いくつかのサービスを利用してみて、まだWebアクセシビリティの観点からは使いにくい部分もありますが、今後に期待したいと思っております。