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Techniques for WCAG 2.0とUnderstanding WCAG 2.0のEditors' Draftに対するレビューの呼びかけ

2014年1月17日
アクセシビリティ・エンジニア 黒澤

W3C WAI(Web Accessibility Initiative)は現在、WCAG 2.0の関連文書、Techniques for WCAG 2.0 (Editors' Draft)Understanding WCAG 2.0 (Editors' Draft) のレビューを呼びかけています(Shawn Henry氏によるレビューの呼びかけメール)。Techniques for WCAG 2.0(WCAG 2.0実装方法集)とUnderstanding WCAG 2.0(WCAG 2.0解説書)は、特定の技術に依存しないWCAG 2.0仕様を補う文書で、それぞれ具体的な実装方法やガイドラインの意図がまとめられています。

今回の更新では主に、ARIAを使った実装方法の追加・更新が行われています。

例えば、Techniques for WCAG 2.0に追加された「ARIA11」はランドマークロールを使ってページの大まかな構造(リージョン)をプログラムで解釈可能にする実装方法です。この実装方法は達成基準 2.4.1 ブロック・スキップを満たすことのできる実装方法の1つにも挙げられています。また、「ARIA19」はalertロールないしライブリージョンを使って、ページにエラーを追加し、エラーが発生したことを支援技術に伝える実装方法です。

ARIA以外の実装方法の中にも更新されているものがあります。

例えば、「F38」ではこれまではimg要素のalt属性のみがチェック対象になっていましたが、role属性がない場合も取り上げられています。また、「F68」ではHTML5でinput要素のtype属性値が増えたこと(type="email"やtype="url"など)を反映したためか、対象とするinput要素の列挙方法が、type属性が特定の値をもつinput要素から、対象としないinput要素に変わっています。

Understanding WCAG 2.0は新しい実装方法と参考資料の追加・更新が主ですが、Success Criteria 2.4.4(達成基準2.4.4 文脈におけるリンクの目的)のIntent of this Success Criterion(この達成基準の意図)の言い回しが一部変更されています。

Shawn Henry氏によるレビューの呼びかけメールによると、WCAG Working Groupは画像(テキストでないコンテンツ)の代替テキストの指定方法(ARIAを使って代替となるテキストを指定すればalt属性は省略しても良いか)について議論中とのことです。

それに限らず、2つの文書にコメントがある場合には2014年2月14日までに、Webフォームかメールで送ってほしいとのことです。

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