IndieUI: Events 1.0の草案が更新
去る7月30日、W3C WAIのIndie UI Working GroupはIndie UI: Events 1.0の2度目の草案を公開しました。Indie UI: Eventsはユーザーの意図をデバイスやプラットフォームに依存せずにスクリプトへ伝えるための仕様です。この仕様の概要は、前回(2013年1月)の草案を紹介した記事、IndieUI: Events 1.0の最初の草案が公開されるをご覧ください。
今回の草案では、2013年1月の草案と比較して、新しいインターフェースが2つ追加されました。
UIFocusRequestEvent
UIScrollRequestEvent
UIFocusRequestEvent
はフォーカスを移動する意図を表しますが、前後や上下左右などに移動する意図以外にも、ツールバーなどにフォーカスを移動する意図を表すイベントが検討されています。
例えば、キーボードでフォーカスを移動する場合には、Tabキーを使うことが一般的ですが、Tabキーはテキスト編集時にタブ文字を入力するためにも使われます。ツールバーなどにフォーカスを移動する専用のイベントを用意すると、テキスト編集中などであってもツールバーなどにフォーカスを移動するという意図を明示的に表現できるようなります。
UIScrollRequestEvent
にはscrollreqeust
のみが属しています。このイベントはその名の通り、スクロールの意図を表します。前回の草案ではscrollrequest
はUIManipulationRequestEvent
の1つでしたが、今回の草案ではUIScrollRequestEvent
という専用のインターフェースが用意されました。
また、document.implementation.hasFeature()
などで利用する、実装状況をチェックするための文字列がorg.w3c.indieui.events
とされました。
このIndie UI: Eventsですが、ブラウザーも少しずつ実装を始めています。
WebKitは6月にIndie UI Eventsの基礎となる部分を実装しました(Bug 117367)。これはまだ、実際の操作に対してイベントを発生させるわけではありませんが、DOMインタフェースの一部が実装されています。今後は具体的なイベントの実装を進めることになる、と私は期待しています。実際に、Bug 117306ではスライダーの値を変化したときにUIValueChangeRequestEvent
を発生させるパッチが提案されています。
今後は標準化の動向に加え、実装の動向にも注目していきたいと思います。
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