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W3C WAIアップデート

2012年1月4日
アクセシビリティ・エンジニア 中村

新年早々、W3C WAIから、WCAG 2.0の関連文書のアップデート版と、Media Accessibility User Requirementsという新しい文書の草案が公開されました。

まず、WCAG 2.0関連文書アップデートですが、Techniques for WCAG 2.0にFlashの実装方法に続いて、SilverlightとPDFの実装方法が追加された点が、一番のポイントです。
既にEditors' Draftには追加されていた内容ではありますが、今回正式なWorking Group Noteとして公開されたことでより利用しやすくなりました。
これに伴い、実装方法を参照しているUnderstanding WCAG 2.0も、SilverlightとPDF関連の追加を中心にあわせて更新されています。

一方、Media Accessibility User RequirementsはWeb上の音声および映像に関するアクセシビリティの要求事項を、特にHTML5関連を中心にまとめた文書です。
内容としては、大きく3つのセクションに分かれています。

最初のセクションは、障害別にどのようなことが必要になるかについてを説明しています。例えば、全盲のユーザーであれば、映像だけの情報にはアクセスできないので、音声やテキストの情報が必要になる、といったことについて書かれています。

次のセクションには、具体的な代替技術について、どのようなものがあるか、またそれぞれどのように提供するのか、といった内容が書かれています。映像を説明するテキスト、キャプション、手話、トランスクリプトなどが説明されています。

最後のセクションでは、前述の技術がアクセシビリティ全体においてどのような位置づけとなるのかを、ユーザーエージェントにおける技術的な側面と、制作工程における観点の両方から説明しています。

なお、この草案、Media Accessibility User Requirementsにつきましては、2月10日までコメントを受け付けているそうです。(詳細はInstructions - PFWG Public Comments(英語)をご参照ください。)
今後、映像や音声まわりのアクセシビリティは非常に重要な位置づけとなってくると思いますので、こちらにも注目していきたいですね。

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