NVDA日本語化プロジェクトがオープンソースカンファレンス2010 fallに展示出展します
すでに7月の作業進捗状況のエントリーでも簡単にご紹介いたしましたが、NVDA日本語化プロジェクトでは来る9月10日(金)と11日(土)に明星大学で開催されるオープンソースカンファレンス2010 fall - オープンソースの文化祭!に展示出展いたします。
9月11日には、『スクリーンリーダNVDAの日本語版紹介』と題したライトニングトークを行う予定です。
ご多忙中とは存じますが、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
本エントリーでは、改めてNVDA及び日本語化の現状について簡単にご紹介したいと思います。
NVDAとは
NVDAは、オーストラリアのMichael Curran氏やJames Teh氏をはじめとした全盲の開発者たちによって、2006年から開発が続けられているスクリーン・リーダーで、日本語を含む20ヶ国語以上の言語に翻訳されて使用されています。視覚障害者がコンピューター本体とOS以外に出費をしなくても、他のユーザーと同じようにコンピューターを使用できるようにすることを目的に開発されているため、無料かつオープンソースで提供されています。
想定される利用者
NVDAは、スクリーン・リーダーの利用者はもとより、先日公示されたアクセシビリティに関するガイドライン、JIS X 8341-3:2010に対応したコンテンツを作成したい人たちにとっても有益なツールです。また、音声や点字で出力している情報を、そのまま画面上のウインドウで確認することもできますので、ソフトウェア開発者の方が、スクリーン・リーダーへの対応状況を確認されるような場面でも使用できます。
NVDAにできること
NVDAは、以下のような特徴をもったスクリーン・リーダーです。
- インストールなしで USBメモリースティックや他の携帯型メディアによる実行が可能
- Firefox 3やInternet ExplorerによるWebブラウジング
- Mozilla Thunderbird 3を用いた電子メールの利用
- Microsoft WordやExcelのサポート
- アクセシブルなJavaアプリケーションのサポート
- Adobe Readerのサポート
- Flashコンテンツのサポート
- Windowsのコマンドプロンプトやコンソールアプリケーションのサポート
- 読み上げ内容を音声と画面に同時出力
インストール方法
NVDA日本語化プロジェクトのダウンロードページから、最新のパッケージをダウンロードしてインストールしてください。インストール方法の詳細につきましては、NVDA日本語版の入手とインストール手順をご参照ください。
日本語版固有の問題点
日本語化プロジェクトでは、以下のような問題に対応するために作業を続けております。
- NVDAを用いて漢字を入力中に、漢字の変換候補を読み上げる機能の実装を始めましたが、まだ実用レベルには達していません。
- NVDAにバンドルされているeSpeakという音声エンジンには、日本語を読み上げる機能がないため、日本語版には独自の音声エンジンをバンドルできるよう、準備を続けております。
- NVDAには、画面情報を点字で出力する機能がありますが、現在この機能は日本語点字や国産の点字ディスプレイに対応していません。
開発者及び翻訳者募集について
NVDA日本語化プロジェクトでは、上記のような日本語固有の問題に対応するため、開発にご協力いただける方を募集しております。以下のようなキーワードに詳しい方、オープンソースのスクリーン・リーダーにご興味のある方からのご連絡をお待ちしております。
- Python
- Input Method Editor (IME)
- 音声合成
- 点字ディスプレイ
- 日本語点字
また、ユーザーガイドや最新情報などの英語で書かれたドキュメントの翻訳にご協力いただける方も募集しております。皆様のご協力をお待ちいたしております。
関連リンク
ミツエーリンクスでは、WCAG準拠やJIS X 8341-3対応をはじめ、さまざまなWebアクセシビリティ関連サービスをご提供しています。是非アクセシビリティのページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。