NVDA日本語Betaリリース
無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの日本語化は、NVDA日本語化プロジェクトで作業を続けております。今回は、8月20日にリリースしたNVDA日本語Betaについてお伝えいたします。Alpha2リリース以降に追加された機能もありますので、ぜひ最新版をご利用ください。
NVDAプロジェクトの変更点
NVDAでFirefoxやThunderbirdを操作中に、テーブルの行及び列見出しを読み上げる機能が追加されました。例えばWebアクセシビリティJIS入門セミナーの詳細ページでは、セミナーの開催日時や場所を示した表を読み上げる際に特定の列に対応する列見出しの情報を同時に読み上げさせることができます。
またNVDAの一般設定ダイアログに、音声や出力先の情報をログオン画面用にコピーする機能が追加されました。これまでは、通常使用する音声や読み上げ速度などの設定とは別に、手動でログオン画面をはじめとしたセキュアデスクトップで使用される設定を行わなければなりませんでしたが、インストールしたNVDAの一般設定ダイアログ内にある「現在保存されているNVDA設定をログオン画面用にコピーする」というボタンを使用することで、簡単に設定情報をコピーできるようになりました。なお、この機能はポータブル版では動作しません。
日本語化プロジェクトでの変更
7月のAlpha2リリース以降、日本語化プロジェクトでは以下のような変更を行いました。
- NVDAメニューの「ヘルプ」→「Webサイト」から開かれるページを、SourceforgeのNVDA日本語化プロジェクトのページに変更しました
- NVDAメニューの「ヘルプ」→「貢献者」では、NVDA日本語版への貢献者の情報が表示されるようにしました
- Readme内の「ログオン画面でNVDAを使用する方法」の内容を修正しました
- キーコマンドクイックリファレンスを追加翻訳しました
- 一部の翻訳メッセージを変更しました
なぜNVDA日本語版はBetaなのか
NVDA日本語版が現在もBetaである理由の一つは、日本語版パッケージを作る際に参照しているソースコードが本家NVDAプロジェクトの開発版であるためです。8月20日に公示されたJIS X 8341-3のアクセシビリティサポーテッド検証にはNVDA日本語版の正式版である 2010.1Jを使用しましたが、利用者の方々にはできるだけ最新の状態のNVDAをご利用いただきたいと思い、日本語正式版である2010.1jへの漢字変換候補の読み上げ機能の追加ではなく、最新の開発版をベースにしたBetaとしました。
NVDA日本語Betaは、下記よりダウンロードしてご利用ください。
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