CSUN 2010参加報告セミナーについて 1
4月16日の19時から20時30分まで、当社セミナールームでCSUN参加報告セミナーを開催しました。悪天候にも関わらず、当日は多くの方々にご参加いただき、ほんとうにありがとうございました。
また、試験的に行ったUstream中継を通じてセミナーにご参加いただいた皆様にも、この場をお借りして感謝申し上げます。
本エントリーでは、当日のセミナーで私がご紹介した関連リンクと、セミナー開始までにTwitter経由でいただいたご質問にお答えしたいと思います。植木さまにご紹介いただいた関連リンクにつきましては、準備ができしだい改めてご紹介させていただきたいと思います。
なお、このCSUN参加報告セミナーの様子を、有志の方にまとめていただきました。どうもありがとうございました。
辻の発表内容紹介
セミナーの中では、Yahoo!のアクセシビリティ対応の最新情報についてのセッション、The New Yahoo! Homepage: Challenging the Challenge of Accessibilityの中で行われたデモンストレーションの中から、以下の3つを実際に会場で見ていただきました。
- 検索カテゴリーのタブを、スクリーン・リーダーを使って切り替える
- 文字列を検索中に、検索候補をスクリーン・リーダーで読ませる
- Favorite(お気に入り)の並び順を、スクリーン・リーダーを使って変更する
なお、会場でも質問をいただいた、お気に入りの並べ替えに使用されているアクセシブルなドラッグアンドドロップにつきましては、当社のWeb標準Blogでもご紹介しておりますのでご参照ください。
もう一つ私が紹介した発表は、Twitterサイトのアクセシビリティについて紹介されたAccessibility of Twitter for Mobile, Desktop and Webで、Twitterサイトのアクセシビリティ上の問題を補うためにAccessible Twitterが立ち上げられたこと、この発表を聞いた数日後にはTwitterサイトのアクセシビリティ上の問題が少なからず改善されたことなどをお話ししました。
なお、この発表で使用されたスライドは、Accessibility of Twitterでご参照いただけます。
Twitter経由でいただいたご質問について
今回のセミナーでは、CSUNやWebアクセシビリティに関するご質問を、当日ご参加いただいた方だけでなく、@mlca11y宛てのつぶやきや、ハッシュタグ#csun10jpを使って皆様からいただきました。ここでは、事前にいただいた質問に、わかる範囲でお答えしたいと思います。なお、一部はすでに、セミナー中にもお答えした内容となりますことをご了承ください。
- 1. 全体的に各セミナーで共通するトレンドみたいなものはありましたか?
- 多くのセミナーで、スクリーン・リーダーを使ったデモンストレーションにNVDAが使用されていたのが印象に残りました。
- 2. 面白そうな支援技術はありましたか?
- 今年注目を集めていた支援技術の一つは、日本テレソフトの点字カラオケではないかと思います。中には、点字カラオケで歌っている様子をPodcastで紹介されているコンテンツもあるくらい、海外でも注目を集めている支援技術ではないかと思います。
- 3. HTML5におけるアクセシビリティのホットトピックは?やっぱキャプションやCanvasどうするかとか
- 本件に関しましてはHTML 5 Media Accessibility という発表がありました。詳細につきましては、発表者のペーパーをご参照いただければと思います。
- 4. WebAIMによるSRユーザー調査で、モバイルで音声読み上げをする人が増えているそうですが、その背景は?iPhoneのようなアクセシブルなスマートフォンの影響が大きいのでしょうか?
- iPhoneのVoiceOverももちろんですが、Code Factory社のMobile Speakやアンドロイド携帯用のスクリーン・リーダーも、数字に影響していると思います。
- 5. PDFのa11y向上について、従来から言われているタグ付けなどの他に、新しいtipsが出てきたりしていますでしょうか?
- Adobe Readerは最新のJAWS 11との組み合わせで、Webブラウザ上に表示されたPDFを読み上げられるようになる予定であることが紹介されておりました。
- 6. 各種スクリーンリーダーの現状と今後どう進んでいくのか?現状 Windows7 への対応は終了した状態だと思うのですが、この先何をやっていこうとしているのか?たとえばGoogle chrome を読めるようにするとかは?などが知りたいですね。
- 今年のCSUNでは、全体的にスクリーン・リーダーメーカーのプレゼンテーションが少なかったように感じました。Google Chromeの読み上げに関しても、具体的な話を聞くことはできませんでした。
- 7. PDFやFlashのアクセシビリティに関して言及するセッションはありましたか? 日本に比べて海外の支援技術は対応が進んでいると聞きましたが、制作側の対応は進んでいる印象でしたか?CSUNで何かその辺りの話がありましたら、ぜひうかがいたいです!
- これは植木さまに会場で紹介いただいたのですが、Adobeからは、iAccessible 2 というアクセシビリティAPIをサポートするというアナウンスがありました。次のメージャー・バージョンで対応される予定とのことです。
なお今回のCSUNからは、各セッションの紹介ページに、発表者が提出したペーパーが掲載されるようになりました。もしもこのペーパーがCSUNが開催される前に掲載されていたら、発表を聞くかどうかを判断するための有益な情報になったのではないかと考えると少し残念な気もいたしますが、情報が公開されたことはとてもすばらしいと思いました。
コメント
セミナーに参加させていただきました。ありがとうございました。
あの後、聞きたかったことがいくつか思いついたのですが、ここに書かれていたので良かったです。
もう1点だけお伺いしたいのですが、もしよろしければお答えいただければと思います。
このCSUNをふまえて、日本で今後流行りそうなトピックや技術などはあるでしょうか?
個人的には、ajax等のリッチ技術やpdfの動向が気になります。
某犬ユーザー様
先日は、セミナーにご参加いただきまして、どうもありがとうございました。
またこのたびは、コメントをいただきましてありがとうございます。
これはあくまでも主観になりますが、私のこれまでの経験からは、海外ではやっている技術やトピックが、そのまま日本でもはやることはあまりないように思います。
ただ、私の希望としては、今後はFlashやPDFのアクセシビリティについてももっと国内でも注目されるといいなと思いますし、ARIA関連技術も、もっと積極的に利用されるようになるといいなと感じました。
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