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Googleのショーケースで学ぶaxsjax(第1回)

2008年4月18日
アクセシビリティ・エンジニア 辻

AJAXをはじめとしたRich Internet ApplicationをアクセシブルにするためのWAI-ARIAというW3Cの仕様が作成中です。そして、WAI-ARIAを利用し、AJAXコンテンツをスクリーン・リーダーや音声ブラウザ利用者にも使用できるようにするため、axsjaxというプロジェクトがGoogleによって進められています。

axsjaxによって、筆者をはじめとした音声読み上げ環境のユーザーがどのようにAJAXコンテンツを利用可能になるのか、Google訪問時に1年ぶりに再会したCharles Chen氏が開発されたFirefox用のアドオン、Fire Voxでの動作検証の結果を元に、今回から4回に分けてご紹介したいと思います。まずその前提として、AJAXとWAI-ARIAの関係について述べたいと思います。

AJAXとWAI-ARIA

AJAXは、Web開発者がWebアプリケーションを構築するのに役立つ技術で、近年のコンテンツではオンライン上でのドキュメントの編集やスプレッドシートでの計算、カレンダーなどで多く用いられるようになってきました。

これまで、このAJAXを用いて作成されたコンテンツ(Webアプリケーション)の画面内容は、スクリーン・リーダーや音声ブラウザなどの音声読み上げ環境ではアクセスが困難だとされてきました。なぜなら、音声読み上げ環境の多くは、Webページにアクセスして表示される内容を静的なドキュメントであると解釈し、それを正しく読めるようにすることを念頭に開発されているため、頻繁にページ内の一部分を動的に変更してその結果を表示させるAJAXの変化を認識するのが困難だったからです。

しかしながら今日、AJAXをはじめとしたRich Internet Applicationは、Webのさまざまな場面で用いられるようになり、それを読むことのできない音声読み上げ環境のユーザーがWebサイト上の目的の情報にアクセスできないケースが増えてきました。

この問題を解消すべく作成が始まったのがWAI-ARIAで、簡単に言えばRich Internet Applicationとスクリーン・リーダーなどの支援技術との間の橋渡しをするような役割を担っています。いくつかサポートも始まっており、今年のCSUN参加時は、実際にスクリーン・リーダーとの組み合わせで動作するものも確認できました。

このような背景を踏まえて、次回からは、実際に前述のFire Voxを用いて、axsjaxのショーケースで紹介されているAJAXを使用してみた感想をお伝えしていきたいと思います。

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