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なぜページタイトルが重要なのか

2007年6月14日
アクセシビリティ・エンジニア 辻

「いまさらなぜこんなタイトルのエントリーを・・・」という声もあろうかと思いますが、今回はページタイトルがどのような役割を持っているのかについて今一度考えてみたいと思います。理由は、Webサイトの中にはまだページタイトルについて軽視しているものが少なくないからです。

Webアクセシビリティに関するガイドラインには、「ページタイトルを適切に設定しましょう」といった項目があります。例えばJIS X 8341-3では、次のように述べられております。

5.2 e) ページのタイトルには,利用者がページの内容を識別できる名称を付けなければならない。

このようにガイドラインで述べられている背景には、スクリーン・リーダーなどの音声読み上げ環境でWebサイトにアクセスした場合、最初に読み上げられる内容がページタイトルであり、もしそれぞれのページに固有のタイトルが設定されていれば、利用者が目的としているページなのかどうかの判断材料となるということはよく知られております。筆者の経験からも、それぞれのページに固有のタイトルが設定されたWebサイトでは、より早く目的のページを探し出すことができます。

一方、ページタイトルを適切に設定することによるメリットは、音声読み上げ環境の利用者だけにあるわけではありません。ブラウザに搭載されているブックマーク機能では、特定のページに対する名称をページタイトルを用いて設定しています。もし同じWebサイト内で複数の同じページタイトルを持つページがある場合、古いブックマーク項目は新しいページで上書きされてしまう可能性があり、利用者は新しくブックマークを追加するたびに手動で個別の名称を設定しなければならなくなるのです。例えば「これは興味深い情報だ」と思ってブックマークしたコラムの記事があるとします。同じWebサイトで、別の日にもうひとつおもしろいコラムをみつけてブックマークしようとしたところ、ページタイトルが同じだったために別のタイトルを手動で設定しなければならなくなったということがあります。もちろん新しいタイトルを自分で考えて設定すればよいのですが、ページを訪れたユーザーに新しいページタイトルを考えさせるという手間を与えるWebサイトには問題があると思われませんか。

また、検索エンジンのプログラムは、ページタイトルを重要な情報として扱うと考えられています。そのページにどのような情報が記述されているか、簡潔に表したものがページタイトルであるからです。したがって、同じページタイトルを複数のページで使用していたり、全く設定していない場合は、プログラムに情報が伝わらない=検索エンジン利用者にみつけられにくくなるということになりかねません。

このように、単に「アクセシビリティ」の観点からだけでなく、それぞれのページに固有のページタイトルを付加することは、重要な意味を持ちます。Webサイトを訪れた利用者に効率よく目的の情報にアクセスしてもらえるよう、もう一度ご自身のサイトをチェックしてみてください。

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