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CSUN2013 参加報告セミナーを開催します

2013年3月26日
アクセシビリティ・エンジニア 黒澤

前回のBlog記事から間があいてしまいましたが、2月末にサンディエゴで開催されたCSUN 2013に参加してまいりました。

私がCSUNに参加して強く感じたことは特定のデバイスだけに依存しないことの重要性です。タッチスクリーンやキーボード、音声操作など、より多くのデバイスが使われるようになっている中、特定のデバイスだけに依存しないことの重要性は高まってきていると感じました。この件につきましてはCSUN 2013報告コラムでも触れておりますので、よろしければご一読ください。

マルチデバイス対応と言えば、CSUN 2013のプレカンファレンス・ワークショップの「Responsive Design and Accessibility」で感じたことは2つあります。

1つ目はレスポンシブWebデザインにおけるレイアウトの変化による影響です。

レスポンシブWebデザインではデバイスに応じてレイアウトが変化しますが、ワークショップでは変化しすぎる点が取り上げられていました。具体的には画面幅によってリンクのリストがドロップダウンメニューに変化するような、UIの変化が起こってしまうことなどです。画面の向きを変えた時にこのようなUIな変化が起こると、例えばスクリーン・リーダーのユーザーは変化に気が付かないのではないかというものです。

ワークショップでは「(ARIAのライブリージョンを使うなどして)ユーザーに変更を通知する」や「ユーザーがより親しんでいるバージョン(デスクトップ版)を使う方法を提供する」といった話が出ていました。

慣れ親しんだバージョンを使う方法をユーザーに提供すること自体は良いことだと思いますが、まずはサイトを訪れるユーザーが戸惑わずにすむサイトを目指したいと感じました。これはレスポンシブWebデザインを採用してレイアウトを変化させていることが、より多くのデバイスで使いやすいコンテンツを提供するという意図に基づいていると思うためです。

2つ目はアクセシブルな表に対する模索です。

ワークショップではアクセシブルに実装することが難しいコンテンツとして表が挙げられていました。例として画面幅が狭い時にdisplayプロパティ値を変更して横に並んでいるセルを縦に並べるテクニックの課題が2つ挙げられていました。

前者の問題、displayプロパティ値によって支援技術から要素がどのように見えるかが変化する問題、は具体的には表の要素に対してdisplay:block;を指定すると支援技術から表に見えなくなる(表として認識されなくなる)場合があるというものでした。これはブラウザが要素を支援技術に対してどのように見せるかの判断にdisplayプロパティ値も使っているためです。

後者のDOMを変更した場合に(変更後のDOMによっては)支援技術から表として認識されないことは自明だと思います。

ワークショップではユーザーが画面に表示する列を選択できる例とオリジナル版を表示する(画面幅が広い場合のレイアウトにスイッチする)例が紹介されていました。画面幅が狭い場合の表の表現方法はまだ模索が続いている段階だと思いますが、列を選択する例は興味深いと思いました。

さて、来る4月12日(金)にCSUN2013 参加報告セミナーを当社セミナールームで開催します。セミナーではCSUN 2013で参加したセッションの内容などを紹介いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

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