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アクセシビリティBlog

Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。

2009年12月28日

「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第33回 後編

アクセシビリティ・エンジニア 中村

アクセシビリティPodcast 第33回 後編をお届けいたします。前編に引き続き、JIS X 8341-3 改正原案の達成基準の中から、「7.1.2 時間の経過に伴って変化するメディア」に関するガイドラインについてお送りいたします。どうぞお楽しみください。

概要

第33回 後編では以下の内容についてお送りいたします。

時間の経過に伴って変化するメディア
  • 音声付き動画ファイルの音声コンテンツに該当する達成基準
  • 音声付き動画ファイルの映像コンテンツに該当する達成基準

Podcast内で紹介している達成基準はWCAG 2.0(W3C勧告)日本語訳 [原題:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0]のサイトよりご確認いただけます。よろしければ合わせてご覧ください。

なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。

聴取方法のご案内

ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。

ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。

音声がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第33回 後編 テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。

また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。

なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。

それでは、どうぞお楽しみください!


「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第33回 後編MP3ファイルのダウンロード

全文を読む

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2009年12月25日

【アクセシブルなPDF】正しい順序での情報提供

アクセシビリティ・エンジニア 中村

本年10月19日のエントリー「PDFとセキュリティ設定」と、12月1日のエントリー「文字情報を含むことの重要性」では、PDFのアクセシビリティを確保するためには、以下のことが重要であることをご紹介しました。

しかし、この2点を満たすだけでは、アクセシブルなPDFと言うにはまだ不十分です。PDFのアクセシビリティを確保するには、この2点に加え、PDFから情報が「正しい順序」で取得可能でなければなりません。

PDFのアクセシビリティを考える上であたまを悩ませられるのが、スクリーン・リーダーは必ずしも画面上に表示されている順番でテキストを読み上げない、という点です。

見た目では左から右、上から下へ並んでいるテキストが、スクリーン・リーダーを利用してPDFにアクセスするとテキストを飛び飛びに読み上げ、ページ下部に置かれているテキストがページ上部に置かれているテキストより先に読まれてしまう、といったようなことがしばしば発生します。こうした現象は、Microsoft Office PowerPointやAdobe Illustratorなどから作られたPDFによく見られます。

これらの原因の一つはPDF文書の内部で持っているテキスト情報の順序と、見た目上に表示されているテキストの順序が一致していないことにあります。対応策としては、適切な文書構造の情報を持った「タグ付けPDF」を作成する方法が有効です。タグ付けPDFは見出しやリスト、テーブルなど、HTMLと似たような機能や構造をPDFに持たせることが可能なほか、PDFに明示的に読み上げ順序の指定を行うことができます。

タグ付けPDFを作成するタイミング

タグ付けPDFを作成するには大きく分けて、下記二つの方法があります。

Microsoft Office WordやOpenOffice.org Writerなど、文書に対し、見出しやリストなどの文書構造を付与できるワープロソフトであれば、事前に適切な文書構造を設定してからPDF化することで、比較的容易にアクセシブルなタグ付けPDFを作成することが可能です。一方、Adobe Illustratorなど、テキストに対して見出しやリストといった定義付けを行わないソフトウェアの場合はPDF変換後にタグ付けを行う必要があります。

次回のエントリーでは、具体的なタグの付け方の一例をご紹介したいと思います。

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2009年12月24日

【NVDA日本語化】 2009年11月・12月の進捗状況

アクセシビリティ・エンジニア 辻

無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの日本語化は、NVDA日本語化プロジェクトで作業を続けております。今回は、11月と12月の進捗状況をまとめてお伝えしたいと思います。

NVDAプロジェクトの動き

去る11月25日に、本年最初のオフィシャルリリースである、NVDA 2009.1がリリースされました。NVDAの開発者の一人、James Teh氏は、NVDA 2009.1 Releasedという記事の中で、「このバージョンはすべての人にお勧めしたい安定版です。」と述べています。

また、12月上旬にリリースされた開発版には、Live Regionコンテンツのサポートや、NVDAの読み上げ内容を音声と画面の両方に出力できる機能が追加されている点も、NVDAプロジェクトの大きな更新内容と言えるでしょう。以下、簡単に開発版で追加された機能について紹介します。

Live Regionサポート

この機能は、Webコンテンツ上で動的に変化する内容をNVDAで読み上げ可能にするというものです。例えばスポーツのスコアをリアルタイムに表示するようなコンテンツで有効です。もちろん、コンテンツ側で適切にマークアップする必要がありますが、以下のページで紹介されているMultiple Live Regions - Advanced Test Caseでもその機能をお試しいただけます。このサンプルコンテンツは、Fire VoxCLiCk, Speakの開発者としても知られているCharles L. Chen氏が、CLC Worldの中で公開されているものです(Fire VoxやCLiCk, Speakにつきましては、Webサイトの音声読み上げを可能にするFirefoxの拡張機能でも紹介しております)。
なお、NVDAのLive Regionサポートの詳細につきましては、NVDA - #246 (NVDA should handle events other than "show" for live regions)をご参照ください。

読み上げ内容を音声と画面の両方に出力

これまでNVDAには、音声で読み上げている内容を画面に出力する機能がありました。この機能は、スクリーン・リーダーの読み上げ内容を、画面上で文字として確認したい利用者にとっては便利な機能でした。しかしながら、この機能を使用している間、NVDAは音声で画面の内容を読み上げることができませんでした。

12月15日にリリースされた開発版R3441では、音声で画面情報を読み上げながら、表示されるウインドウで読み上げ内容を文字でも確認できるようになりました。詳細はNVDAプロジェクトの更新情報、NVDA - #44 (Allow display synth to be used in conjunction with speech)でご確認ください。

日本語化プロジェクトの動き

NVDA日本語化プロジェクトでは、11月と12月に5本のパッケージを作成して公開しました。NVDA開発版の最新パッケージは、NVDA日本語化プロジェクトのダウンロードページからダウンロードしてご利用ください。また、前述のオフィシャルリリースの日本語版につきましては、当アクセシビリティBlogのエントリーNVDA 2009.1J リリースで紹介しております。

ソースコードにつきましては、5度の更新を行いました。最新のソースコードは、NVDA開発版r3441をベースにしております。

11月と12月には、あわせて29件のメッセージ翻訳を行い、本家NVDAプロジェクトに内容を送付しました。

NVDA 2009.1ユーザーガイドにつきましては、6.2.1.4. 点字設定6.2.1.5. キーボード設定の翻訳を行いました。

2009年11月17日2009年12月14日には、定例の日本語化プロジェクトのミーティングを行いました。議論の内容につきましては、リンク先の記録をご参照ください。

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2009年12月22日

書籍『ウェブアプリケーションのためのユニバーサルデザイン』

アクセシビリティ・エンジニア 中村

先週末のことになりますが、株式会社オライリー・ジャパンより『ウェブアプリケーションのためのユニバーサルデザイン』が刊行されました。
本書は、WCAG 1.0の共同編集者であるほか、WCAG 2.0草案のいくつかでも共同編集者として活動するなど、W3C/WAIの一員として活躍されていたWendy Chisholm氏と、同じくW3C/WAIにおいてさまざまなアクセシビリティに関する標準の策定に関わり、Web Standards Projectのアクセシビリティタスクフォースでの活動をおこなってきており、現在はAdobe社にてアクセシビリティ・エンジニアとして活躍されているMatt May氏による『Universal Design for Web Applications』の翻訳版です。

書名からもわかりますが、現状では特にアクセシビリティを考慮することがおろそかになりがちであると考えられる、Webアプリケーションの部分を中心にした内容で、Ajax/WAI-ARIAを扱った章があるほか、FlexやSilverlightなどにも触れており、これまでの静的なWebページを中心としたアクセシビリティの本とはひと味違った内容になっています。

WCAG 2.0が勧告となってから1年が経ち、また今後日本国内でもJIS X 8341-3の改正が予定されるなど、Webアプリケーションにもきちんとしたアクセシビリティが求められる時代となってきていますので、本書で学んでみてはいかがでしょうか。

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2009年12月21日

IBM アクセシビリティ・フォーラム2009参加報告 ~マルチメディアのアクセシビリティを考える

アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る12月4日、都内の日本アイ・ビー・エム本社で行われた、IBM アクセシビリティ・フォーラム2009に参加しました。前回のエントリーでは、Webアクセシビリティの歴史や、今後を見据えたIBMの取り組みについて、浅川氏のプレゼンテーション内容を簡単にご報告しました。

本エントリーでは、セミナー後半に行われたパネルディスカッション、『マルチメディアのアクセシビリティを考える』についてご紹介したいと思います。

登壇者について

このパネルディスカッションのすばらしかった点は、さまざまな立場の方々が登壇されたことです。とかくアクセシビリティに関するディスカッションと言いますと、特定の立場の方の意見だけが強調されて聞こえてしまう傾向があり、そのような意味でも今回のディスカッションを聞くことができたことは、すばらしい経験でした。以下、登壇された方々について簡単にご紹介します。

早稲田大学 人間科学学術院 教授 市川 熹氏
パネルディスカッションのモデレーター、主に学術関係者という立場でお話されました。
花王株式会社 Web作成部 Web技術室長 本間 充氏
Webを通じて情報発信を行っている企業の担当者という立場でお話されました。
当社 取締役兼R&D本部長 木達 一仁氏
お客様向けのWebコンテンツ制作を行っている企業担当者の立場でお話されました。
株式会社インフォアクシア 代表取締役社長 植木 真氏
Webアクセシビリティに関するガイドライン、WCAG 2.0やJIS X 8341-3の策定メンバーの立場でお話されました。
NHKオンデマンド室 副部長 所 洋一氏
2008年に開始されたNHKオンデマンドの担当者の立場でお話されました。

マルチメディアのアクセシビリティを考える

はじめに、花王株式会社の本間氏が、Web上で取り上げられるマルチメディアの定義について述べられ、映像ファイルや動画ファイルだけでなく、画像ファイルや音声ファイルなど、Web上で公開されているマルチメディアコンテンツにはさまざまなものがあること、花王からの情報発信としては、年間400本あまりの企業CMなどをWebを通じて公開されていることなどをお話されました。

続いて当社の木達からは、マルチメディアコンテンツのアクセシビリティを高めていくためには、よりいっそうの学術的な研究が必要であること、それを基にしたガイドラインが整備されれば、制作側からも、よりアクセシブルなコンテンツやサイトの作成が行えるのではないかという話がありました。

インフォアクシアの植木氏からは、昨年勧告となったWCAG 2.0について、それまではW3Cが定めた技術に対してしか適用できなかったガイドラインが、これまで登場してきた技術だけでなく、今後登場するかもしれない技術に対しても適用できるものになったこと、ガイドラインに準拠することがアクセシビリティ対応ではなく、それではじめてスタートラインに立つことができるといったお話がありました。

最後にNHKオンデマンド室の所氏からは、2008年にスタートしたNHKオンデマンドは、見逃した番組の視聴を中心に多くの方に利用されていること、来年以降は字幕をつけたコンテンツも配信予定であることなどをお話されました。

ディスカッションの中では、NHKでこれまで提供してこられた字幕について、その作成方法に関して情報提供を希望するといった話や、字幕を提供する際、感情をどのように表現すればよいのかといった議論が行われました。

近年、マルチメディアコンテンツのアクセスに関して、例えばNVDAをはじめとした支援技術側での対応も進んできました。YouTubeをはじめとした動画提供サイトでも、プレーヤーのボタンに音声読み上げ環境で識別可能なラベルが提供されたりと、マルチメディアコンテンツをよりアクセシブルにしようという動きが始まっています。今後はよりアクセシブルな情報発信と、それを利用者にアクセス可能にする支援技術などがお互いにアクセシビリティを高めあうことで、マルチメディアコンテンツのアクセシビリティも向上していくのではないかと感じたセミナーでした。

筆者もいち支援技術の利用者として、より積極的にマルチメディアコンテンツを利用していきたいと感じました。

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2009年12月18日

IBM アクセシビリティ・フォーラム2009参加報告 ~Webアクセシビリティの過去と未来

アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る12月4日、都内の日本アイ・ビー・エム本社で行われた、IBM アクセシビリティ・フォーラム2009に参加しました。午前10時から午後5時までという、ほぼ1日がかりのセミナーは、特にマルチメディアコンテンツのアクセシビリティに言及する内容だったこともあり、とても充実した内容でした。ご報告がやや遅くなってしまいましたが、本エントリーでは、セミナー前半に行われた講演 「Webアクセシビリティの過去と未来 - これまでの10年、これからの10年」(日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 IBMフェロー 浅川 智恵子氏)についてご紹介したいと思います。

Webアクセシビリティのこれまでの10年

浅川氏は1997年に視覚障害者のための音声ブラウザであるホームページ・リーダーの開発を手がけられました。ホームページ・リーダーが登場するまでは、Webページ上のリンクなどに番号を付加してそれがリンクであることを表現するような、テキストブラウザが多くの視覚障害者の間で利用されていました。筆者もテキストブラウザを使ってWebコンテンツにアクセスしていたいち利用者として、とても懐かしく当時を思い出しました。

ところで、当時の視覚障害者のWebの閲覧環境には、見出しやリストなどの文書構造という概念はなく、ブラウザはページの本文とリンクやボタンなどを識別できるくらいの機能しか持っていませんでした。そのような意味でもホームページ・リーダーの登場によってページの中から目的の情報を探しやすくなったことは、視覚障害者のWebコンテンツへのアクセスの可能性を飛躍的に向上させたと思います。

もちろん、今日では多くの音声読み上げ環境で文書構造を解釈できるようになり、コンテンツ側でも文書構造を意識して設計が行われるようになってきていますが、Webアクセシビリティのルーツとも言うべき歴史的なお話が聞けたことはすばらしいと感じました。

Webアクセシビリティのこれから

プレゼンテーション後半では、現在のIBMのアクセシビリティ向上への取り組みとして、Social Accessibility Projectの活動が紹介されました。情報が不足しているサイトについて、利用者側から改善のリクエストを発信し、それをボランティアの方が補うという仕組みがデモを通して紹介されました。画像に代替テキストを付加するだけでなく、見出しの設定されていないページに見出しを付加することもできるというデモは印象的でした。

また、感情を表現できる合成音声のデモンストレーションは、これからのマルチメディアコンテンツのアクセシビリティという分野にいかせる技術ではないかと感じました。

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2009年12月17日

「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」 第33回 前編

アクセシビリティ・エンジニア 中村

アクセシビリティPodcast 第33回 前編をお届けいたします。今回はJIS X 8341-3 改正原案の達成基準の中から、「7.1.2 時間の経過に伴って変化するメディア」に関するガイドラインについてお送りいたします。どうぞお楽しみください。

概要

第33回 前編では以下の内容についてお送りいたします。

時間の経過に伴って変化するメディア
  • 音声ファイルに該当する達成基準
  • 映像ファイルに該当する達成基準

なお、Podcast内で紹介している達成基準はJIS X 8341-3 改正原案 「高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信における機器・ソフトウェア・サービス - 第3部:ウェブコンテンツ」の公開レビューの中で公開されているJIS X 8341-3:2009 改正原案(附属書を含む) (PDF、720KB)からもご確認いただけます。

話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。

聴取方法のご案内

ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。

ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。

音声がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」 第33回 前編 テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。

また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。

なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。

それでは、どうぞお楽しみください!


「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」 第33回 前編MP3ファイルのダウンロード

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2009年12月16日

ユニバーサロン・アクセシビリティセミナー『iPhoneで広がるウェブの可能性』ご参加ありがとうございました

アクセシビリティ・エンジニア 辻

発表中の様子

去る12月11日、毎日新聞社様との共催で、ユニバーサロン・アクセシビリティセミナー『iPhoneで広がるウェブの可能性』を開催いたしました。あいにくの天候でしたが、多くの皆様にご参加いただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

さて、当日筆者と木達のプレゼンテーションの中で使用したスライドを共有させていただきます。セミナー中にご紹介した関連情報など、ご確認いただければと思います。

また、当日のセミナーの様子を、有志の方々がまとめてくださっております。セミナーにご参加いただけなかった方は、こちらも合わせてご覧いただければと思います。

次に、当日のディスカッション終了後にいただいたご質問につきまして回答させていただきます。

Q: iPhone上のVoiceOverで使用できる、フィードリーダーと電子書籍リーダーにはどのようなものがありますか?
A: まずフィードリーダーに関しましては、Free RSS Readerというものをインストールして使用しております。また、電子書籍リーダーとしましては、青空文庫の書籍を読むことができる豊平文庫がVoiceOverで利用できるようです。また、先日リリースされたVoice of DAISYでは、DAISY (Digital Accessible Information SYstem)形式の図書を再生できるようです。

最後になりましたが、今回のセミナー開催にあたり、多大なご協力をいただきました毎日新聞ユニバーサロンの岩下様、二瓶様に心よりお礼申し上げます。

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2009年12月10日

NVDA 2009.1J リリース

アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る11月25日に、無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAの最新オフィシャルパッケージがリリースされました。

本家NVDAプロジェクトで公開されたBlogエントリーNVDA 2009.1 Releasedによりますと、このNVDA 2009.1はすべての利用者にお勧めしたい最新のNVDAパッケージで、以下のような変更を含んでいます。

その他にも、問題点の修正や利用者の使用感の改善などが行われています。なお、追加された機能の一部につきましては、過去の本Blogへのエントリーでもご紹介しておりますので、関連リンクをご参照ください。

なおNVDA日本語化プロジェクトでは、NVDA 2009.1のリリース内容に、ノート型のPCの日本語キーボードへの対応を加えたNVDA 2009.1Jをリリースしました。是非ご活用ください。

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2009年12月01日

【アクセシブルなPDF】文字情報を含むことの重要性

アクセシビリティ・エンジニア 中村

本年10月19日のエントリー、PDFとセキュリティ設定では、PDFのアクセシビリティを確保するには、下記の3点が守られていることが理想的であると紹介いたしました。

今回はこの中から「表示されている文字を読むことができるPDF」について取り上げたいと思います。 アクセシブルなPDFを提供する上で重要なポイントは「PDF内の文字情報」です。スクリーン・リーダーなど音声読み上げ環境でPDFの内容を確認するには、PDF内に文字情報(このエントリー内で「文字情報」とは、コンピュータが判読・処理することが可能な文字データのことを指します。)が含まれている必要があります。次に上げるような、文字情報の含まれないPDFの場合は、何らかの対応が必要となります。

文字情報が含まれていないPDFの例

例1:紙資料から作成されたPDF

文字情報の含まれないPDFの代表例が紙資料をイメージスキャナで読み取り、読みとった画像データをそのままPDFとして保存したケースです。このような過程で作成されたPDFは、画面上では文字として読むことができますが、PDFに書かれた文字は画像と化しているため、音声読み上げ環境では文字情報として判読することができません。

例2:文字のアウトライン化が行われているPDF

広告やポスターなど、印刷物用に作成されたデータを元にPDFを出力した場合によく見られるのが文字のアウトライン化が行われたPDFです。文字のアウトライン化とは、異なる環境でも文字の形が崩れないよう文字を図形化することを指します。アウトライン化されたPDFは、文字が図形化されてしまっているため、スキャナから作成されたPDF同様スクリーン・リーダーは文字情報として判読することができません。

PDFに文字情報を含ませるには

例1:紙資料からのPDF作成

紙に出力する以前のデータが手元にある場合は、そのデータを元にPDFを出力するのが理想的です。それが難しい場合は「OCR(光学文字認識)」を利用し、画像化された文字を再び文字情報として判読可能にするのが一つの手段です。ただしOCRソフトのテキスト認識率は100%正確ではなく、文字を誤認識する事も往々あります。したがって、資料をイメージスキャナで読み取る際は、OCRソフトが正しく文字を識別しやすいよう、資料の文字部分と背景色のコントラスト比をはっきりさせる、適切な解像度の設定を行う、といった配慮を行うことが望まれます。

例2:文字のアウトライン化が行われているPDF

アウトライン化する前のデータがあれば、文字のアウトライン化をせずにPDF出力を行うことで文字情報を保持したままのPDFを出力することが可能です。それが難しい場合は紙資料からのPDF同様、OCRを利用するのが一つの手段のように思います。

文字情報の重要性

前回のエントリーでは「文書にアクセスできるPDF」としてスクリーン・リーダーからPDFへのアクセスを可能にするためのセキュリティ設定についてご紹介しました。しかし、たとえスクリーン・リーダーがPDFにアクセスできたとしても、PDF内に文字情報が含まれていなければスクリーン・リーダーはPDFから何も情報を取得することができません。これでは中身が空っぽのPDFを提供しているのと同じことになってしまいます。PDFのアクセシビリティを考える上では、PDFに文字情報をどれだけ正しく含ませることができるかが、非常に重要なポイントではないかと考えています。

次回は「正しい順序で情報を取得することができる」PDFについて取り上げたいと思います。

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