Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
2009年07月31日
【iPhone 3GS使用レポート4】: 便利なWebコンテンツの読み上げ
アクセシビリティ・エンジニア 辻
iPhone 3GSにはWebコンテンツを閲覧できるブラウザとして、Safariが標準で組み込まれています。特徴として、Webコンテンツ内で他の部分の読みあげをスキップして、見出しやリンクなどの特定の要素に直接移動するための機能があります。本エントリーの中では、これをジャンプコマンドと呼ぶことにします。
筆者が日常的に利用しているJAWSやNVDAといったスクリーン・リーダーにはこのようなジャンプコマンドがあり、例えば見出しにジャンプするにはHキーを、リンクにジャンプするにはUキーを使用したりします。しかし、これまで携帯電話でWebコンテンツを閲覧する際は、コンテンツ内に用意されたアクセスキーを使わなければ、効率よく情報を閲覧することができなかった筆者にとって、iPhoneにあるジャンプコマンドは大変新鮮でした。
ジェスチャーによる操作の中でも紹介しましたが、SafariでWebコンテンツを閲覧中にも、コンテンツ全体を読ませることができます。ページ中の見出しやリンクなどは、項目名の後に「見出しレベル1」や「リンク」、「訪問済リンク」のような音声とともに読み上げられます。
このSafariの特徴は、コンテンツ内で上や下にはじくジェスチャーを行ったときに、さまざまなジャンプコマンドが利用できることです。ジェスチャーについてご紹介したときには省略させていただいた、ローターコントロールによってジャンプコマンドを切り替えるのですが、Webコンテンツ内で使用できるジャンプコマンドには以下のようなものがあります。なお、ジャンプコマンドを切り替えるには、画面上で2本の指を使って、つまみを回すような動作を行います。
- 文字
- 単語
- 見出し(ヘッダと読まれます)
- リンク
- フォーム要素
- 訪問済みリンク
- 未訪問リンク
- イメージ
文字や単語単位での読み上げは他の画面上でも行うことができるのですが、Safariの中では、それに加えてこのようにさまざまなジャンプコマンドが使用できます。例えば、アクセシビリティBlog内で記事だけを効率よく読みたければ、見出しジャンプが便利かもしれませんし、コメントを投稿したいのであればフォーム要素へのジャンプが便利です。
スクリーン・リーダー使用時に、例えば見出し要素にジャンプするならHキー、フォーム要素にジャンプしたければFキーと、それぞれの要素にジャンプするために別々のキー操作を使ってきた筆者にとっては、同じジェスチャーで機能を切り替えながら使用するこのジャンプコマンドは少々不便な気もします。しかし、一つのジェスチャーを覚えておけばそれを切り替えることで応用できるような実装は、要素別にコマンドを覚えなくてもよいという点で便利なのかもしれません。
冒頭にも書きましたが、このようにWebコンテンツ内で効率よく情報を閲覧できるような機能は、とても便利だと思います。改めて、見出しなどの文書構造を持ったコンテンツが、ユーザーの利便性を向上させることを実感しました。
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2009年07月27日
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 後編
アクセシビリティ・エンジニア 中村
アクセシビリティPodcast 第29回 後編をお届けいたします。後編では、今年秋に改定される「JIS X 8341-3」は2004年版からどのような変更が行われているかについてご紹介いたします。どうぞお楽しみください。
概要
第29回 後編では以下の内容についてお送りいたします。
- 「JIS X 8341-3」2004年版からの変更点
- 高齢者ユーザーに関する項目
- 日本語特有の問題に関する項目
- Webコンテンツに関する要件
- 達成基準と等級について
- アクセシビリティBlog Twitter IDのお知らせ
なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。
聴取方法のご案内
ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。
ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。
音声がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 後編 テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。
また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。
なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。
それでは、どうぞお楽しみください!
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 後編MP3ファイルのダウンロード
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2009年07月22日
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 前編
アクセシビリティ・エンジニア 中村
アクセシビリティPodcast 第29回 前編をお届けいたします。今回より新コーナー「ウエちゃんがおしえてあげる」をお届けしてまいります。このコーナーではウエちゃんが中心となり、今年秋に改定される「JIS X 8341-3」に関する情報を皆さまにお伝えしていきます。どうぞお楽しみください。
概要
第29回 前編では以下の内容についてお送りいたします。
- JIS X 8341-3 改定の経緯
- 2009年版 JIS X 8341-3 の特徴
なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。
聴取方法のご案内
ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。
ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。
音声がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 前編 テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。
また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。
なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。
それでは、どうぞお楽しみください!
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第29回 前編MP3ファイルのダウンロード
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2009年07月21日
【iPhone 3GS使用レポート3】: 使用できなくなったiPhoneを復旧
アクセシビリティ・エンジニア 辻
筆者がiPhone 3GSを購入してから、早いもので2週間ほどが過ぎました。最近はなんとなくですが、画面上のどこにどんなアイコンがあるのかを感覚的に覚えてきたような気がしています。例えば、電話をかけたければ画面の左下のほうに電話のアイコンがあるとか、今何時なのかを知りたければ画面の右上のほうに時計のステータスバーがあるといった具合に、画面中をあちこち探し回らなくても目的を達成できるようになってきました。ところで、機器の操作に慣れてくると、いろいろな機能を試してみたくなるものです。今回はその中から、筆者のiPhone使用中の初めての失敗について書いてみたいと思います。
iPhoneを使い始めて程なく、同僚のアドバイスでiPhoneにパスコードロックをかけることにしました。設定メニューからVoiceOverを使って、簡単にパスコードロックをかけることができます。パスコードは4桁の数字で指定するのですが、数字のキーを押すたびに、押された数字をVoiceOverが読んでくれます。また、ロックしたiPhoneにパスコードを入力する場合にも、もちろん音声での読み上げが行われます。
ここで気になるのは、ロックを解除しているときにスピーカーから音を出していると、近くにいる人にパスコードが知られてしまう可能性があることです。付属のイヤホンなどを使用すれば、それは回避できると思うのですが、例えば指紋を使った認証など、もっと安全なロック解除の方法があると便利だなと感じました。
その日、何度かロックと解除を試した後、「これなら問題なくプライバシーを守ることができる。」と安心してロックをかけたまではよかったのですが、しばらく使っているうちに、なんど試してもロックがはずせなくなってしまいました。「iPhoneは使用できません」というメッセージだけが読み上げられて、最後には緊急電話にしか発信できないようになってしまいました。
結局その日は帰宅するまでiPhoneを使用することができなくなってしまいましたが、自宅のPCに接続することで、バックアップ用のデータを復元してパスコードロックを解除することができました。その作業には1時間くらい時間が必要でしたが、スクリーン・リーダーを使ってiTunesの画面情報を読みながら、すべての作業を一人で行うことができました。
その作業の途中、iTunesでiPhoneの制御を行うメニューの中に、VoiceOverの設定を行うことができる項目があることを知りました。筆者は先日iPhoneを購入した際、お店でVoiceOverを使えるようにしてもらったのですが、このメニューがあることで、例えば購入したばかりのiPhoneを、スクリーン・リーダーの利用者が独力で使用できるようにすることも不可能ではないということがわかりました。
今回のできごとから、自分で設定したパスコードを忘れてしまう筆者には大いに問題があるものの、たとえそのような状況になったとしても、iPhoneをVoiceOverの利用者が独力で復旧させることができるように設計されている点がすばらしいと感じました。
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2009年07月14日
【iPhone 3GS使用レポート2】: ジェスチャーによる操作
アクセシビリティ・エンジニア 辻
キーボードがついていないiPhoneを操作するうえで重要なのが、ジェスチャーです。iPhoneでは、画面上のアイコンやキーボードに触れたり、画面上をなでたりすることで、その機能を使用することができます。
筆者がiPhone 3GSを購入して最初につまずいたのが、このジェスチャーでした。画面に指1本で触れる操作もあれば、例えばスクロールのために3本の指で画面をなでるような動作もあります。また、画面に触れる回数も、1回、2回、3回と、場面によって違うのも筆者を混乱させた原因です。1回画面を叩くと、指の下の対象項目が読まれて、2度叩くと実行されることは、事前に聞いていた海外のPodcastなどで知っていましたが、複数の指を使ったジェスチャーについては、実際に使い始めた今でもなかなか覚えることができません。
しかし、二日間ほどiPhone 3GSを使ってみて、VoiceOverの利用者もこのジェスチャーが身についていけば、十分にiPhoneを使いこなせるのではないかと感じるようになりました。そこで今回は、英語版のiPhone User Guideを参考に、VoiceOverを有効化した状態でのジェスチャーのうち、よく使用するものをご紹介します。
移動と読み上げに関するコマンド
- 1回叩く
- 項目の読み上げ
- 右または左へはじく
- 前または次の項目を選択
- 上または下にはじく
- 動きはローターコントロールの設定状態により変化する
- 2本指で叩く
- 現在の項目の読み上げを停止
- 2本指で上にはじく
- 画面上の上からすべてを読み上げ
- 2本指で下にはじく
- 現在位置からすべて読み上げ
- 3本指で上または下にはじく
- 1回に1ページスクロール
- 3本指で右または左にはじく
- 次または前のページに移動(ホーム画面、株価、Safariなどで有効)
- 3本指で叩く
- スクロールのステータスを読み上げ(どのページまたは行が表示されているか)
選択と実行に関するコマンド
- 2度叩く
- 選択中の項目を実行
- 項目に1本の指で触れながら、別の指でスクリーンを叩く(スプリットタッピング)
- 項目の実行
- 2度叩いて(1秒)待機+通常のジェスチャー
- 通常のジェスチャーを使う
- 2本指で2度叩く
- 電話を受けるまたは通話を終了する
- 再生と一時停止(iPod、YouTube、Voice Memo、写真内で有効)
- 写真撮影(カメラ内で有効)
- 記録の開始または終了(カメラ、Voice Memo内で有効)
- 3本指で2度叩く
- VoiceOver音声のOnとOff切り替え
- 3本指で3度叩く
- Screen Curtain(画面表示を隠す機能)のOnとOff切り替え
このように、簡単には覚えられないくらいのジェスチャーがあるiPhoneですが、1日も早く、私のジェスチャーをiPhoneに認識してもらえるように、がんばりたいと思います。次回は、iPhoneが使用不能になってしまった日のことを書きたいと思います。
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2009年07月08日
8月にWeb制作者のためのNVDA紹介セミナーを開催
アクセシビリティ・エンジニア 辻
すでに当社のセミナー紹介ページで募集を開始しておりますが、来る8月21日に、無料でオープンソースのスクリーン・リーダー、NVDAの紹介セミナーを開催することになりました。
このセミナーは主に、Web制作者の方々にご参加いただくことを想定しており、Webコンテンツの内容が、スクリーン・リーダー利用者にはどのように伝わっているかをデモを通してご紹介していきます。さらに、このセミナーで無料でオープンソースのスクリーン・リーダー、NVDAを使ったコンテンツの閲覧方法を理解していただくことで、ご自身でもスクリーン・リーダーを使った検証作業が行えるようになっていただくことを目的としています。
セミナーは、筆者をはじめとしたNVDA日本語化プロジェクトのメンバーが進行していきますので、最新のNVDA開発版で取り入れられたWeb閲覧のためのコマンドについてもご紹介できるかと思います。本セミナーの詳細やお申し込みは、Web制作者のためのNVDA紹介セミナーのページをご参照ください。
ご多忙中とは存じますが、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
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2009年07月07日
【iPhone 3GS使用レポート1】: 初めてのタッチスクリーン
アクセシビリティ・エンジニア 辻
日本では去る6月26日に発売されたiPhone 3GS、皆様はもうご覧になりましたでしょうか?カメラ機能の向上や処理速度の向上など、ハードウェアも進化したiPhoneですが、筆者が気になった機能は、日本語対応のVoiceOver(スクリーン・リーダー)です。iPhoneの画面上に表示される内容を音声で読み上げることで、視覚障害者のユーザーにもiPhoneが活用できる機能として、6月初旬より話題になっていたので、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれません。またもしかしたら、iPhone 3GSの音声コントロールのことだと勘違いしてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そのiPhone 3GSを購入して少し使用してみましたので、簡単にタッチスクリーンの使用感について書いてみたいと思います。
タッチスクリーンは想像していたよりも利用しやすい
iPhone 3GSを実際に使用するまで、筆者が想像していたタッチスクリーンとは、少し指がずれただけでも操作に支障をきたしてしまうようなものでした。もしかしたら、電話をかけるだけでも長い時間がかかってしまうのではないか、電話はかけられたとしても文字入力はできないのではないかと、どちらかといえば悲観的な想像ばかりをしていました。
実際に手にして使用してみると、タッチスクリーンでの操作は、それほど難しくないことがわかりました。アイコンを選択するために指を動かすと、VoiceOverはちゃんと指の動いた先のアイコン名をすばやく読んでくれますし、キーボードからの文字や数字の入力は、普段使用しているPC用のキーボードを思い浮かべながら指を動かしていけば、大きな問題もなく目的の文字や数字をみつけられるようになっています。

とはいえ、二日ほど使用しただけでは、操作が難しい場面があるのも事実です。今回から少しずつですが、筆者がiPhoneの使い方に慣れていくまでの間、気がついたことをご紹介していきたいと思います。どうぞご期待ください。
