Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。
2008年08月29日
NFBとTargetの訴訟が和解
アクセシビリティ・エンジニア 中村
2006年02月に起きたアメリカでの訴訟で、当時このBlogのエントリーでも取り上げた、Webアクセシビリティ関連では大きな訴訟のひとつであるNFB(National Federation of the Blind: 米国視覚障害者連合)とTarget社の訴訟が和解になりました。
本件につきましては、裁判所の指示により作成されたWebサイト、NFB Target lawsuit main pageの情報が正確であるかと思われますので、詳細は同サイトでご確認ください。また、WebAIM: BlogのJared Smith氏によるエントリー、Target lawsuit settledではポイントがわかりやすくまとめられています。
とはいいましても、どちらの情報も当然英語ですので、簡単な内容をここでもお伝えいたします。
まず、本合意の冒頭でTarget社は今回の合意が、同社のサイトTarget.comが以前も今も非アクセシブルだということや、ADA(Americans with Disabilities Act)などの各法に違反しているということを認めるものではない、といった旨の内容があります。しかしながら、Target Online Assistive Technology Guidelines (Wordファイル: 約2MB)に準拠することや、原告への金銭の支払い、またTarget社のWebデベロッパーが少なくとも1日のNFBによるアクセシビリティ講習を受けることなどが合意には含まれていることから、今後はアクセシビリティの改善が求められていくことになるでしょう。
今回の合意が、Target社以外のサイトのアクセシビリティ改善につながっていくかどうか、今後の国際的な動きにも注目していきたいと思います。
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2008年08月26日
Googleの検索結果ページの仕様変更
アクセシビリティ・エンジニア 辻
2006年の当Blogのエントリーをはじめ、アクセシビリティPodcastでもときどき取り上げておりますが、Googleの検索結果ページに列記される各ページのタイトルは、見出し要素としてマークアップされております。スクリーン・リーダーや音声ブラウザの利用者は、見出しジャンプの機能を使うことで、ページタイトル間を簡単に移動できるのです。
2006年後半からこのアクセシビリティ対応を行ってきたGoogleの検索結果ページに、今月ころから、少し変更が行われましたのでご紹介します。なお、この変更は筆者がスクリーン・リーダーを使って確認したものであり、実際の検索結果の画面にはこれまでと変化がない可能性があることをご了承ください。また、この情報は8月22日時点のものです。
スクリーン・リーダーで確認できた変更点
音声読み上げ環境の利用者にとってもっとも大きな変更は、見出し要素の使用方法ではないでしょうか。これまで、Googleの検索結果ページでは、見出し要素のレベル2でページタイトルがマークアップされていました。しかし、現在は、以下のように見出しが使用されるように変更されています。
- 見出しレベル1
- Googleトップページへのリンク
- 見出しレベル2
- 「スポンサーリンク」や「検索結果」のような大きな見出し
- 見出しレベル3
- スポンサーリンク、検索結果のページタイトル
これまで検索結果の閲覧に、直接見出しレベル2にジャンプする機能を使用していた筆者は、この変更に少々戸惑ってしまいました。
また、今回の変更のもうひとつの特徴は、ページタイトルやスニペット (結果ページの説明または抜粋されたテキスト)が、順序付リストでマークアップされるようになった点です。リストへのジャンプ機能や、個別のリスト項目へのジャンプ機能を持ったスクリーン・リーダーや音声ブラウザであれば、それらのジャンプコマンドを検索結果の閲覧に利用できるようになりました。たとえばJAWSやNVDAでは、Lキーを押すことでスポンサーリンクや検索結果といったリストの間を移動できます。また、Iキーを押すことで、それぞれのリストの中のページタイトルにジャンプできるのです。
これまで、音声読み上げ環境の利用者がGoogleの検索結果を効率よく閲覧するためには、見出しジャンプの機能を使う選択肢しかありませんでした。しかし、新たに検索結果が順序付リストで表現されるようになったことで、利用者としては効率の良い方法を選択できるようになったという利点があると思います。スクリーン・リーダーや音声ブラウザで検索結果を閲覧されている方は、ご自身にとって使いやすい方法を探してみてはいかがでしょうか?
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2008年08月22日
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第21回
アクセシビリティ・エンジニア 中村
アクセシビリティPodcast、第21回をお届けいたします。奇数回の今回はアクセシビリティの関連ニュースをザッピングしてお届けする「Today's Accessibility」と、支援技術についてご紹介する「教えて!!辻ちゃん」をお送りいたします。どうぞお楽しみください。
概要
第21回では以下の内容をお届けいたします。
- Today's Accessibility
-
- 日立が「WAI-ARIA 1.0」のエディターズドラフト日本語訳を公開
- IBM「ソーシャル・アクセシビリティ・プロジェクト」
- マイクロソフト製品並びに、サービスにおける外来語、カタカナ用語末尾の長音表記の変更について
- 教えて!辻ちゃん
-
- なぜスクリーン・リーダー利用者はInternet Explorerを使う人が多いのか
なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。
聴取方法のご案内
ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。
ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。
音声がご利用いただけない環境の方は、「全文を読む」のリンクよりお進みください。「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第21回 テキストという見出しより、テキスト化された内容を提供いたしております。
また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。
なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。
それでは、どうぞお楽しみください!
「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第21回MP3ファイルのダウンロード
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2008年08月08日
NVDA 0.6p2リリース
アクセシビリティ・エンジニア 辻
すでに当Blogでは何度かご紹介しておりますが、無料でオープンソースのWindows用スクリーン・リーダー、NVDAのバージョンアップ版、NVDA 0.6p2が、8月7日にリリースされました。
今回のリリースはオフィシャルなバージョンアップではありませんが、NVDA開発者の一人James Teh氏によれば、昨年公式にリリースされたNVDA 0.5はすでに古くなっているため、すべてのNVDA利用者に0.6 P2へのバージョンアップを薦めています。
この0.6p2では、注目すべき機能が追加され、多くのバグフィックスも行われました。さらに、本年3月にリリースされたNVDA 0.6p1では更新されていなかったユーザーガイドを含むドキュメントが一新された(日本語ドキュメントは含まれていません)のも大きな特徴ではないでしょうか。
以下、改良された機能の一部を紹介します。より詳細な更新情報につきましては、What's new in 0.6p2 [text file]でご確認ください。
- NVDAに同梱されている音声エンジン(日本語は読み上げ不可)、eSpeakの改良
- NVDAを制御するキー操作に、ノート型のコンピュータで利用可能なラップトップレイアウト(日本語環境では利用不可)が追加
- NVDAの各種設定ダイアログにアクセスするためのショートカットキーの追加
- Firefox 3でWebページを閲覧中に利用できるクイックキーの改良
- ARIA live regionの基本的なサポートの開始
- マウスの左ボタン及び右ボタンのクリック動作を行うためのスクリプトの追加
- NVDA起動時のようこそダイアログの追加
NVDA 0.6p2は、以下のNVDAプロジェクトのページからダウンロードできます。
- NVDA 0.6p2 installer
- インストール可能なNVDA
- NVDA 0.6p2 portable version
- USBメモリーなどに入れて持ち運び可能なポータブルバージョン
- What's new in 0.6p2 [text file]
- NVDA 0.6p2での変更点の詳細ドキュメント
最後に、NVDA 0.6p2には、昨年11月の当Blogのエントリーでご紹介した、NVDA日本語化プロジェクトの活動成果である、翻訳されたNVDAのメッセージと、インストール時に表示される日本語メッセージが含まれています。今後もさらに、ドキュメントの整備をはじめとした日本語化作業を継続していきたいと思います。
