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Webサイトのアクセシビリティを高めるための方法や国内外の関連情報など、さまざまな角度からWebアクセシビリティに関する話題をご提供していきたいと思います。

2006年12月06日

国内スクリーン・リーダーのIE7への対応状況

アクセシビリティ・エンジニア 辻

10月26日付の当Blogのエントリーでは、海外スクリーン・リーダーのIE7への対応状況についてお伝えいたしましたが、本日は国内で利用されているスクリーン・リーダーや音声ブラウザの対応状況についてお伝えいたします。

今回調査にご協力いただいたのは、以下の5種類のソフトウェアのサポート担当者の方々です。

お忙しい中ご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。

去る11月2日、日本語版のMicrosoft Windows Internet Explorer 7(以下、IE7)がリリースされました。すでに英語圏ではIEBlogのエントリー、「IE7 and Various Screen Readers and Screen Enlargers」がIE Accessibility TeamのKelly Ford氏によって11月7日に公開されましたが、我が国においては関連する情報が少ないのが現状です。そこで、Webアクセシビリティに関わる皆様、スクリーン・リーダーや音声ブラウザをご使用の皆様に現状をお伝えすべく、画面読み上げソフトウェアのIE7への対応状況について調査を行いました。

95Reader Ver6.0

95Reader Ver6.0(通称XP Reader)は、株式会社システムソリューションセンターとちぎから発売されているスクリーン・リーダーです。日本で最初のWindowsの画面読み上げソフトとして、1996年から多くのユーザーに利用されております。

XP Readerでは、IE7の画面情報もIE6と同様に、ほぼ問題なく読み上げられることを確認しましたとのご回答をいただきました。

PC-Talker XP Ver.2.04

PC-Talker XPは、株式会社高知システム開発で発売されているスクリーン・リーダーです。日本においてもっともユーザー数の多いスクリーン・リーダーのひとつで、本年9月末にVersion2.0がリリースされました。

PC-Talker XPでは、今のところ問題なくIE7の情報が音声でガイドされているとの回答をいただきました。

JAWS for Windows Professional Ver.7.1 日本語版

JAWS for Windowsは、米国Freedom Scientific社で発売されている高機能なスクリーン・リーダーです。日本においては、有限会社エクストラで日本語化され、販売されております。

現在発売されているJAWS for Windows Ver.7.1は、IE7の画面を読み上げられるようには設計されているそうです。ただし、テストの結果現状いくつかの問題があるとのこと、12月中から1月ころまでに修正プログラムの提供を予定されているとの回答をいただきました。現状は、IE6の方が快適に使用できるとのことです。

FocusTalk Ver1.0.2

FocusTalkは、本年1月にVersion1.0が公開されたばかりのスクリーン・リーダーで、株式会社スカイフィッシュから発売されております。Internet Explorerなどの画面情報を読み上げられるほか、インターネット通話で有名なSkypeを簡単に操作するためのSkypeHelperという支援ツールが利用できる点が特徴です。

最新バージョンFocusTalk Ver1.0.2では、IE7の画面上部にあるいくつかのボタンは読み上げることができませんが、各種ボタンに割り当てられているショートカットキーもしくは、Altキーを押したときに表示されるメニューバーから該当機能を使用することができます。現在はほぼ100パーセント問題なく使用できるとのことですが、現状読み上げられない項目についても、来年リリース予定の次期バージョンで対応されるとの回答をいただきました。

IBM ホームページ・リーダー Ver 3.04

ホームページ・リーダーは、日本を始め、多くの国で使用されている音声ブラウザで、日本アイ・ビー・エム株式会社から発売されております。Webサイトの閲覧に特化した音声ブラウザで、コンテンツを閲覧するユーザーのみならず、Webサイトのアクセシビリティに関心のある方々に、もっとも利用されているブラウザのひとつです。

IE7でのホームページ・リーダー3.04の使用に関しては、サポートを行っていないとの回答をいただきました。IE7を導入し、ホームページ・リーダー3.04を使用して問題が発生した場合は、IEのバージョンを6に戻してくださいとのことです。ところで、このご回答をいただいた後、11月29日にホームページ・リーダー3.04の修正プログラム5の提供が開始されました。ただし、修正内容の詳細には、IE7に関する記述はみつかりませんでした。

このように、それぞれのスクリーン・リーダーや音声ブラウザによってその対応はさまざまです。利用者の皆様は、ご利用中のソフトウェアでIE7の画面情報の読み上げが可能かどうか、IEのバージョンアップを行われる前に十分ご確認ください。

Windows(R) Internet Explorer(R) 7 for Windows XP日本語版を提供開始というマイクロソフト株式会社のプレスリリースによりますと、日本語版IE7の自動配布の開始は2007年4月ころとされています。今後もスクリーン・リーダーや音声ブラウザの対応状況について調査し、このBlog上で最新情報をお伝えしていきたいと思います。

[2006/12/08追記]
株式会社システムソリューションセンターとちぎ様よりご連絡をいただきましたので、記事本文を修正いたしました。

コメント

大変ためになる記事をありがとうございます。

上記スクリーンリーダなのですが、シェアってどれくらいなのでしょうか?
IE7対応も含め、全てをクリアするのは難しいので・・・

Posted by: 斉藤 : 2007年01月18日 09:54

斉藤様

コメントをいただきまして、ありがとうございます。
最新の情報でなくて恐縮ですが、国立特殊教育総合研究所での2002年の調査に
「視覚障害者のWindowsパソコン及びインターネット利用状況調査2002」
があります。こちらがご参考になるかと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: アクセシビリティ・エンジニア 辻 : 2007年01月18日 20:30

辻さま

ご回答いただき、ありがとうございます。
大変参考になりました。

御社ではすべてのスクリーンリーダー対応を前提に作業されているのでしょうか?
それともクライアントの要望で案件ごとに決定しているのでしょうか?もし差し支えなければよろしくお願いします。

Posted by: 斉藤 : 2007年01月19日 09:04

斉藤様

コメントをいただきまして、ありがとうございます。

当社では、特定の支援技術に特化したコンテンツの制作は行っておりません。
ある特定の支援技術の機能に依存したコンテンツは、別の利用者にとって使いづらいものになる可能性が考えられるからです。
ご参考になりましたら幸いでございます。

Posted by: アクセシビリティ・エンジニア 辻 : 2007年01月19日 13:44

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