レスポンシブWebデザインとアクセシビリティ
WebデザイナーやWeb開発者のためのオンラインマガジンの.net magazineで、『When RWD goes bad』という記事が掲載されていました。著者のAlastair Campbell氏は、レスポンシブWebデザインがアクセシビリティにとって基本的には好ましいインパクトをもたらすとしながら、同時に注意すべき点もあることを指摘しています。
例に挙げられているのは、比較的小さなスクリーンにおいて、(より大きなスクリーンでは表示させていた)ナビゲーションバーを隠してしまい、ボタン操作によって表示・非表示を切り替えるようにするテクニック。レスポンシブWebデザインを採用したサイトで、割とよく目にするデザインパターンです。それが
- モバイルデバイス上でVoiceOverのようなスクリーンリーダーを使ってナビゲーションを操作する必要のある人
- デスクトップであれモバイルであれ、スクリーンの表示を拡大して利用している弱視の人
- 何のためのボタンかを判断できる必要のある認知障害をもつ人
といった人々に及ぼし得る影響が、記事のなかで論じられていました。加えて、ナビゲーションをキーボードで操作した際の振る舞いが、スクリーンの大きさによって変化することへの懸念も述べられています。
これに類するお話は、今年の3月に参加したCSUN 2013カンファレンスでも聞かれましたし、またCSUN2013 参加報告セミナーでもご紹介しました。メディアクエリーを使えばこそ、スクリーンサイズごとに表示上のさまざまな部分に変更を加えることが「技術的には」可能です。しかし、同じコンテンツを異なる特性のデバイスから利用しやすくするうえで必要となる一貫性や、上述のようなアクセシビリティ面での影響を踏まえるなら、一定の慎重さが求められると私は考えます。
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