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「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第34回 前編

2010年1月28日
アクセシビリティ・エンジニア 中村

アクセシビリティPodcast 第34回 前編をお届けいたします。新年1回目のアクセシビリティPodcastはListener's Voiceをお届けいたします。今回は、JIS X 8341-3 改正原案の達成基準である「7.1.2 時間の経過に伴って変化するメディア」に関するご質問をご紹介いたします。どうぞお楽しみください。

概要

第34回 前編では以下の内容についてお送りいたします。

  • 「7.1.2 時間の経過に伴って変化するメディア」

Podcast内で紹介している達成基準はWCAG 2.0(W3C勧告)日本語訳 [原題:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0]のサイトよりご確認いただけます。よろしければ合わせてご覧ください。

なお、話題にあがっているサイトなどのリンク先につきましては、「全文を読む」のリンクよりテキスト化された内容でご確認ください。

聴取方法のご案内

ブラウザ上で再生される方は、下記のFlash Playerをご利用ください。

ダウンロードしてその他のプレイヤーで再生される方は、ダウンロードボタンよりmp3ファイルをダウンロードの上、ご利用ください。

音声がご利用いただけない環境の方には、本エントリーの最後にテキスト化された内容を提供いたしております。

また、iTunesなどRSS対応のソフトウェアをご利用の方には、辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast用RSSも提供いたしております。

なお、ご意見、ご感想などございましたら、当エントリーのコメント入力フォームよりお寄せください。たくさんのご意見をお待ちいたしております。

それでは、どうぞお楽しみください!


「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第34回 前編MP3ファイルのダウンロード

「辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast」第34回 前編 テキスト

二人:
辻ちゃん、ウエちゃんのアクセシビリティPodcast!2010!
辻:
はい、第34回目となりました、アクセシビリティPodcast、本日もミツエーリンクスからお届けしてまいります。あけましておめでとうございます。わたしは、辻ちゃんこと、ミツエーリンクスの辻勝利です。そして…
ウ:
あけましておめでとうございます。ウエちゃんこと、、インフォアクシアの植木でございます。
辻:
さらにそして…
ヒ:
はい、あけましておめでとうございます。ヒロちゃんこと、ミツエーリンクスの中村浩佳です。
三人:
本年も、よろしくお願いいたします。
ウ:
いやー、また年があけましたね。
辻:
そうですね。
ウ:
じゃあ恒例の、新年の抱負を聞かせてもらいましょうかね。
辻:
はい。
ウ:
じゃあ辻ちゃんから。
辻:
僕はやっぱり、そうですね、
ウ:
うん。
辻:
この時期寒いですから、湯豆腐とかいいんじゃないかと思うんですけども。
ウ:
そりゃ「とうふ」やないか!
辻:
恐縮です。
ウ:
じゃあヒロちゃん。
ヒ:
うーん、わたしは中華が好きなので、麻婆なんかが…。
ウ:
キミもそりゃ「とうふ」やないか!
ヒ:
恐縮です。
辻:
そういえば、
ウ:
ええ。
辻:
今年、寅年ですので、
ウ:
うん。
辻:
ミスタータイガースということで、掛布さんにも抱負を聞いてみたいと思うんですけれども。
ウ:
非常にですね、いい年にしたいですね。
辻:
なんか一番マトモでしたね。
ヒ:
(笑)
辻:
はい。えー、今年もよろしくお願いいたします。
ウ:
はい。
辻:
新年第1回目のコンテンツは、
ウ:
はい。
辻:
Listener's Voice。
ウ:
おっ。
辻:
ひさびさにやってみたいと思います。
ウ:
久しぶりですね、いいですね。新年早々。
辻:
はい。
ウ:
はい。
辻:
先日からもお伝えしているんですけれども、
ウ:
うん。
辻:
この「ウエちゃんが教えてあげる」というコーナーを始めましてからですね、
ウ:
ええ。
辻:
みなさまから、すごくたくさんのご質問をいただきまして。
ウ:
はっ。
辻:
そのなかから、先日お伝えした7.1.2に関するいただいた質問をご紹介してみたいと思います。
ウ:
はい。
辻:
では、よろしくお願いいたします。
Listener's Voice
辻:
ヒロちゃん、いただいたお手紙を、少し、読んでいただけますか?
ヒ:
はい、今日は匿名希望のかたからの質問なんですが、
辻:
はい。
ヒ:
読んでいきますね。
ウ:
はい。
ヒ:
WCAG 2.0JIS X 8341-3改正原案を読んでいてもわかりにくいところがたくさんありますので、
辻:
はい。
ヒ:
辻ちゃんウエちゃんのアクセシビリティPodcastで解説していただけるのはたいへん助かります。
二人:
恐縮です。
ヒ:
じゃあ、さっそくいくつか質問させてください。
辻:
はい。
ウ:
はい。
ヒ:
まず、最初の質問ですね。7.1.2.1で、「映像しか含まないメディア」と「映像しか含まないコンテンツ」のように表記の違いがあります。メディアとコンテンツの使い分けに何か意味はありますでしょうか。という質問ですね。
ウ:
はい。確かにですね、両方でてくるんですが。
辻:
はい。
ウ:
なんでこんな落ち着いた…、
ヒ:
(笑)
ウ:
トーンになってるかよくわからないんですが。
ヒ:
いやー。
辻:
大人のコンテンツですからね。
ヒ:
(笑)
ウ:
はい。
辻:
はい。
ウ:
ええとですね、まず「メディア」というのはですね、そのファイル自体のことを言っていると思ってもらえればなと。前回もですね、「映像ファイル」とか「音声ファイル」という言い方をあえてしたんですけども、例えば「映像しか含まないメディア」という場合には、映像しか含まれていないファイルを使う場合。
辻:
はい。
ウ:
というふうに置き換えてもらうとわかりやすいかなと。
辻:
ファイル、ということは例えば、音声だとMP3とか
ウ:
そうですね。
辻:
のファイル、
ウ:
そうですね。
辻:
みたいな単一のものとして考えていい?
ウ:
そうですね。
辻:
なるほど。
ウ:
たぶんそれが一番わかりやすいんじゃないかなと。
辻:
はい。
ウ:
コンテンツっていうのは、そのファイルが伝えている情報、
辻:
はい。
ウ:
中身を指しますと。
辻:
なるほど。
ウ:
MP3ファイルであれば、そのMP3ファイルが伝えている情報。
辻:
うーん。
ウ:
それがまあ、コンテンツ。
ヒ:
うんうん。
ウ:
中身と。
辻:
なるほど。わかりやすいですよね。
ウ:
はい。
辻:
はい。
ウ:
そんな感じですかね。
辻:
なるほど。
ウ:
はい。
ヒ:
はい、では続いて、ふたつ目の質問です。7.1.2系の「○○しか含まない」という表現のせいで、わかりにくいところがあります。
ウ:
ふんふん。
ヒ:
7.1.2.1は、音声か映像のどちらか片方しか含まない収録済みメディアの場合にだけ該当するように読めます。
ウ:
うん。
ヒ:
しかしながら、7.1.2.1のbでは、収録済みの映像しか含まないコンテンツのケースに、音声トラックが等価な情報を提供していてもよい、と読めます。
ウ:
うん。
ヒ:
だとすると、映像と音声の両方を含むコンテンツなので、そもそも7.1.2.1に該当しないのではないでしょうか。という疑問が、
ウ:
なるほどですね。
ヒ:
届いてます。
ウ:
はい。えーと、この7.1.2.1の対象になるのは、音声か映像のどちらか片方しか含まない収録済みのメディアです。これ、おっしゃる通りなんですね。
ヒ:
はい。
辻:
はい。
ウ:
で、bに書かれているのは、映像しか含まない収録済みのメディアを使う場合の話なんですけれども、その場合、音声トラックを追加することができれば、音声トラックを使って、音声ガイドのような代替コンテンツを提供しましょうということなので、ポイントはですね、「どういうファイルを使おうとしているか」
ヒ:
うんうん。
ウ:
です。
辻:
はい。
ヒ:
はい。
ウ:
確かに、音声トラックを追加したあとは、映像しか含まないコンテンツとは言えなくなるんですけども、
ヒ:
はいはい。
ウ:
それはあの、この達成基準を満たした後の話なので、
辻:
はい。
ヒ:
うんうん。
ウ:
そもそも、映像しか含まないコンテンツを使う場合には、もし可能なのであれば、音声トラックを追加して、そこで映像だけが伝えてる情報を音声で提供することができますよ、という意味ですね。
ヒ:
はい。
辻:
なるほど。
ウ:
ですから、追加した後のことではなくって、追加する前、代替コンテンツを追加する前がどういう状態か、
辻:
うーん。
ウ:
というのがポイントになります。
辻:
はい。
ウ:
はい。
ヒ:
はい。では、続いて、どんどんいきますね。
辻:
たくさんあるんですよね、
ヒ:
はい、
辻:
質問ね。
ヒ:
そうなんです。では質問3つ目です。
ウ:
はい。
ヒ:
背景音があり、その背景音が消せない音声コンテンツで、背景音と前景音の差が20dbより小さい場合、適当な映像をくっつければ、7.1.4.7は該当しないことになってしまうのでしょうか。という質問です。
ウ:
はい。これは、7.1.4.7ですね。これはですね、7.1.4.7に関して言うと、音声コンテンツが含まれていれば、映像のあるなしは関係ありません。
辻:
なるほど。
ウ:
ですから、映像があろうがなかろうが、音声で情報を伝えているのであれば、音声、で、かつ、背景音がある場合ですね、その場合は、20db以上の差をつけましょうと。
ヒ:
うん。
ウ:
言ってることなので、映像と音声と両方があるファイルっていうのは、JISの達成基準の言葉でいうと「同期したメディア」ということになるんですが、そのなかで、音声によって伝えてる情報が音声コンテンツということになります。なので、音声だけしかないファイルっていうのは、音声しか含まないメディアっていうことになるんですけれども、その音声によって伝えてる情報も同じく音声コンテンツということで、映像のあるなしは関係ないのがこの7.1.4.7になります。
辻:
はい。
ウ:
はい。
辻:
この20db以上の差っていうのは、
ウ:
うん。
辻:
実際にどのくらいのものかっていうのを、以前このPodcastのなかで
ウ:
あ、ありましたね。はい。
辻:
紹介しましたよね。
ウ:
はい。
辻:
ぜひ、それも含めて参考にしていただければなと。
ウ:
そうですね。
辻:
はい。
ウ:
はい。
ヒ:
はい。では次、行きますね。
ウ:
はい。
ヒ:
時間に伴って変化するメディアや、
ウ:
うん。
ヒ:
映像しか含まないメディア、同期したメディアなどがいまいちわかりにくいのですが、具体的なメディアの事例などはないのでしょうか。
ウ:
うん。
ヒ:
例えば、企業サイトのトップページには、Flashコンテンツがよくありますが、
二人:
はい。
辻:
ありますねー。
ウ:
うん。
ヒ:
映像しか含まないコンテンツに該当するのか、判断に苦しみます。
ウ:
ふんふん。
ヒ:
で、ちょっとここにFlashのコンテンツの特徴を書いていただいているんですけれども、
ウ:
はい。
辻:
はい。
ヒ:
複数の静止画の製品バナーが数秒間隔で自動更新されており、
ウ:
うん。
辻:
はいはいはい。
ヒ:
任意の製品バナーを表示するためのインタラクションも用意されています。
辻:
うん。
ウ:
ふんふんふんふん。
ヒ:
また、各バナーは、各製品情報へのナビゲーションの役割も果たしています。
ウ:
はい。
ヒ:
このようなFlashコンテンツは多いですが、このようなFlashコンテンツで等級Aを満たそうとした場合には、どの達成基準を満たす必要があるのでしょうか。
ウ:
うん。
ヒ:
また、もしも静止画バナーではなく、演出的な動きのあるFlashコンテンツの場合には、演出の音声ファイルが必要になるなど、状況が変わってきますでしょうか。
ウ:
ふんふん。
ヒ:
ちなみに、「Appendix A: Glossary」によると、このようなFlashコンテンツは、映像コンテンツであるが、映像しか含まないコンテンツではないことになりそうですが、認識は合っていますでしょうか。
ウ:
はい。
辻:
うーん。
ウ:
いやー、なるほど。いろんなポイントがありますが、まずはですね、Flashって、映像なのか、映像しか含まないコンテンツなのか、というようなところなんですが、用語集を見るとですね、「映像しか含まない」というところの定義に、「インタラクションを含まない」というふうに書かれてます。
辻:
はい。
ウ:
なので、この質問のなかで例に挙げていただいているFlashムービーの場合は、ボタンがあって、ナビゲーションの役割を果たしているということですので、つまり「インタラクションがある」と
辻:
はい。
ウ:
いうことで、このFlashムービーの場合は、「映像しか含まないコンテンツ」には該当しないと。
ヒ:
うーん、なるほど。
ウ:
いうことになりますね。いうことになりますね。で、よくFlashを使って、音声つきの映像コンテン ツ、YouTubeとかありますけども、あ あいうふうに、いわゆる音声つきの映像を提供しているFlashムービーの場合に は、これは、音声つきの映像だとか、あるいは映像しか含まれていなければ映像しか含まないコンテンツに該当すると。
辻:
はい。
ウ:
いう感じですね。で、このFlashを使う場合に満たすべき達成基準についてなんですけれども、基本的にWCAG 2.0=改正版のJISですけれども、
辻:
はい。
ウ:
特定の技術を想定していません。ですから、該当する箇所がある達成基準すべてがFlashでも、HTMLでも同じように、該当する達成基準になると。たとえば画像イメージをFlashムービーに置いている場合、HTMLであればimg要素のalt属性を使って、という話になるんですけれども、Flashでも同じようにですね、アクセシビリティパネルとかを使って代替テキストを提供することができますので、
辻:
はい。
ウ:
Flashの場合にはそういう方法を使って、その達成基準を満たしましょうと。いう感じになります。
辻:
なるほど。
ウ:
で、これはあの、どのテクノロジー、Webコンテンツ技術を使っていても同じで、HTML使ってようと、PDF使ってようと、Flash使ってようと、あるいはSilverlight使ってようと、何使っていても同じ考えかたで、該当する箇所があれば、その達成基準が対象になるということです。ちなみに、Flashについてなんですけれども、WCAGワーキンググループのほうで、Techniques文書、この収録している時点ではまだ準備中の段階なんですが、
辻:
はい。
ウ:
Techniques for WCAG 2.0」というドキュメントがあるんですけれども、そちらにですね、情報が追加される予定になっています。もしかしたら、すでに追加されているかもしれませんけれども、
辻:
はい。
ウ:
それをご覧いただくとですね、どの達成基準で、Flashの場合にはどのテクニック、実装方法を使えばいいかっていうのがより明確になるかなと思います。
辻:
なるほど。
ウ:
はい。それからですね、演出の音声ガイドが必要になるかどうかっていうことなんですが、
辻:
はい。
ウ:
これに関してはですね、その演出自体が、単なる装飾を目的にしたものであれば、特に説明する必要はないです。あくまでもコンテンツを理解するのに不可欠な情報であれば、説明する必要はあるんですけれども、
辻:
はい。
ウ:
いわゆる演出・装飾みたいなものであれば、特に必要はないですと。
辻:
はい。
ウ:
ただこれはですね、ケースバイケースで判断変わってきますので、実物見ないとなんとも言えないところではあるんですが、ただポイントになるのは、情報を伝えてるかどうか。
辻:
はい。
ウ:
ですね。もしなんらかの情報を伝えているのであれば、それを説明する必要がでてきますと。
辻:
はい。
ウ:
これはですね、たとえばHTMLのWebページで、画像を使う場合、
ヒ:
はいはいはい。
ウ:
情報を伝えてれば代替テキストをつけなければいけないし、
辻:
うーん。
ウ:
飾りで使ったら、別にaltは空でいいっていう。
辻:
あー。
ウ:
あれと同じような感じで、判断してもらうといいのかなと思いますね。
辻:
なるほどね。
ウ:
はい。
辻:
たくさんの質問をありがとうございます。ここからは、後編のほうで、続きの質問にお答えしていきたいと思います。

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