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2009年12月21日

IBM アクセシビリティ・フォーラム2009参加報告 ~マルチメディアのアクセシビリティを考える

アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る12月4日、都内の日本アイ・ビー・エム本社で行われた、IBM アクセシビリティ・フォーラム2009に参加しました。前回のエントリーでは、Webアクセシビリティの歴史や、今後を見据えたIBMの取り組みについて、浅川氏のプレゼンテーション内容を簡単にご報告しました。

本エントリーでは、セミナー後半に行われたパネルディスカッション、『マルチメディアのアクセシビリティを考える』についてご紹介したいと思います。

登壇者について

このパネルディスカッションのすばらしかった点は、さまざまな立場の方々が登壇されたことです。とかくアクセシビリティに関するディスカッションと言いますと、特定の立場の方の意見だけが強調されて聞こえてしまう傾向があり、そのような意味でも今回のディスカッションを聞くことができたことは、すばらしい経験でした。以下、登壇された方々について簡単にご紹介します。

早稲田大学 人間科学学術院 教授 市川 熹氏
パネルディスカッションのモデレーター、主に学術関係者という立場でお話されました。
花王株式会社 Web作成部 Web技術室長 本間 充氏
Webを通じて情報発信を行っている企業の担当者という立場でお話されました。
当社 取締役兼R&D本部長 木達 一仁氏
お客様向けのWebコンテンツ制作を行っている企業担当者の立場でお話されました。
株式会社インフォアクシア 代表取締役社長 植木 真氏
Webアクセシビリティに関するガイドライン、WCAG 2.0やJIS X 8341-3の策定メンバーの立場でお話されました。
NHKオンデマンド室 副部長 所 洋一氏
2008年に開始されたNHKオンデマンドの担当者の立場でお話されました。

マルチメディアのアクセシビリティを考える

はじめに、花王株式会社の本間氏が、Web上で取り上げられるマルチメディアの定義について述べられ、映像ファイルや動画ファイルだけでなく、画像ファイルや音声ファイルなど、Web上で公開されているマルチメディアコンテンツにはさまざまなものがあること、花王からの情報発信としては、年間400本あまりの企業CMなどをWebを通じて公開されていることなどをお話されました。

続いて当社の木達からは、マルチメディアコンテンツのアクセシビリティを高めていくためには、よりいっそうの学術的な研究が必要であること、それを基にしたガイドラインが整備されれば、制作側からも、よりアクセシブルなコンテンツやサイトの作成が行えるのではないかという話がありました。

インフォアクシアの植木氏からは、昨年勧告となったWCAG 2.0について、それまではW3Cが定めた技術に対してしか適用できなかったガイドラインが、これまで登場してきた技術だけでなく、今後登場するかもしれない技術に対しても適用できるものになったこと、ガイドラインに準拠することがアクセシビリティ対応ではなく、それではじめてスタートラインに立つことができるといったお話がありました。

最後にNHKオンデマンド室の所氏からは、2008年にスタートしたNHKオンデマンドは、見逃した番組の視聴を中心に多くの方に利用されていること、来年以降は字幕をつけたコンテンツも配信予定であることなどをお話されました。

ディスカッションの中では、NHKでこれまで提供してこられた字幕について、その作成方法に関して情報提供を希望するといった話や、字幕を提供する際、感情をどのように表現すればよいのかといった議論が行われました。

近年、マルチメディアコンテンツのアクセスに関して、例えばNVDAをはじめとした支援技術側での対応も進んできました。YouTubeをはじめとした動画提供サイトでも、プレーヤーのボタンに音声読み上げ環境で識別可能なラベルが提供されたりと、マルチメディアコンテンツをよりアクセシブルにしようという動きが始まっています。今後はよりアクセシブルな情報発信と、それを利用者にアクセス可能にする支援技術などがお互いにアクセシビリティを高めあうことで、マルチメディアコンテンツのアクセシビリティも向上していくのではないかと感じたセミナーでした。

筆者もいち支援技術の利用者として、より積極的にマルチメディアコンテンツを利用していきたいと感じました。

ミツエーリンクスでは、WCAG準拠JIS X 8341-3対応をはじめ、さまざまなWebアクセシビリティ関連サービスをご提供しています。是非アクセシビリティのページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

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