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JAWS for Windows Version 10リリース

2008年11月13日
アクセシビリティ・エンジニア 辻

去る11月3日、スクリーン・リーダーのひとつであるJAWSの最新版、Version 10がリリースされました。近年、ほぼ1年ごとに新しいバージョンをリリースしているFreedom Scientific社のJAWSですが、今回はどのような新機能が加わったのでしょうか。What's New in JAWS 10の中から、筆者が注目した機能について簡単にご紹介します。

遠隔地からサポートができるJAWS Tandem

今回リリースされたJAWSの特徴の中で、JAWSの利用を始めたばかりの人たちにとって有益だと思われる機能が、JAWS Tandemです。この機能により、サポートを行う人がユーザーのコンピュータにインストールされたJAWSを遠隔地から操作できるようになります。筆者はまだ、この機能を実際に試してみたことはありませんが、Freedom Scientific社のPodcastであるFSCastのSeptember 2008 FSCastでは、Tandem機能で遠隔地のコンピュータ上のJAWSを操作する様子が、実際の音声を交えて紹介されています。

JAWSに不慣れな利用者にとっては操作が難しい機能も少なくはないため、サポート担当者の遠隔地からの指導や設定などに役立つのではないかと期待される機能です。

Auto Forms Mode

これまでJAWSではWebコンテンツやPDFドキュメント内のフォームを操作する際、Enterキーなどを使用してフォームモードに入らなければなりませんでした。例えばGoogleで文字列を検索する場合は、エディットボックスをみつけた後にEnterキーを押さなければ、文字列の入力ができませんでした。

JAWS 10に追加されたAuto Forms Modeは、このフォームモードのOnとOffの機能を自動的に切り替えるもので、これによりフォーム内で作業するためにEnterキーを押すような作業の必要がなくなります。

ただ、長年手動でJAWSのフォームモードを切り替えてきた筆者にとっては、この機能に慣れるまでに少し時間がかかってしまいそうだなと感じました。

ARIA Live Region とARIA Landmark のサポート

アクセシビリティPodcastでも何度か取り上げているWAI-ARIAの中で、Live RegionsLandmarkの読み上げサポートが行われるようになりました。この機能はFirefox 3や今後リリース予定のInternet Explorer 8で読み上げが可能で、対応したコンテンツにJAWS 10でアクセスすることで読み上げられるそうです。

このほかにも、9月にリリースされたiTunes 8の読み上げ対応など、興味深い更新が行われているようです。JAWSをはじめとしたスクリーン・リーダーのARIA対応にも期待したいと思います。

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