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アクセシビリティBlog

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2007年8月17日

支援技術別動作検証報告: ダッシュとマイナス記号

アクセシビリティ・エンジニア 辻

日ごろ私たちが読み書きする文章には、句読点をはじめとしたさまざまな記号が使用されています。もちろんWebサイトで提供される情報も例外ではありません。

ところで、筆者が使用している音声読み上げ環境では、記号の読み方に関する処理がまちまちで、それが利用者の情報の理解に影響することも少なくありません。例えば、あるスクリーン・リーダーでは「マイナス」と読まれていた記号が、別のスクリーン・リーダーを使用した場合「バー」と読まれることがあります。

そこで今回は、比較的利用頻度の高いと思われる記号の中から、マイナス記号について、それぞれのスクリーン・リーダーがどのようにユーザーに通知しているのかを、いくつかの例とともにご紹介します。

テスト環境と使用した支援技術

今回調査したのは、全角と半角で記述されたマイナス記号とダッシュ記号です。以下のようなものがあります。

また、調査に用いたのは、以下のバージョンのスクリーン・リーダーです。

検証結果

上記の記号を表示させるためのページを作成し、検証を行いました。結果として、上述のように、同じ記号であっても使用するスクリーン・リーダーの種類によって読み方が違っていたり、記号によっては全く読み上げられないものがあることがわかりました。以下の表では、読み上げられなかった記号を(なし)で表しています。

項目名 JAWS PC-Talker XP ホームページ・リーダー ボイスサーフィン
―(全角ダッシュ) ダッシュ バー ハイフン(カーソル読みモード時) ダッシュ(カーソル移動時)
ー(長音) 長音 バー 長音(カーソル読みモード時) ちょうおん(発音的に漢字ではない可能性がある)
-(全角マイナス) マイナス マイナス マイナス(カーソル読みモード時) マイナス(カーソル移動時)
‐(全角ハイフン) ハイフン ハイフン バー(カーソル読みモード時) 横線(カーソル移動時)
-(半角ハイフン/マイナス) ハイフン マイナス マイナス(カーソル読みモード時) マイナス
–(–) (なし) (なし) 半角ダッシュ (なし)
—(—) (なし) (なし) 全角ダッシュ (なし)
−(−) (なし) (なし) マイナス (なし)

この結果から、正しく記述されたコンテンツであっても、利用するスクリーン・リーダーによっては情報が正確に伝えられないケースがあることがわかりました。また、同じ記号であっても、利用するスクリーン・リーダーによって、その記号をどのように読み上げるかといった通知方法が異なる場合もあるため、例えば普段使用しているスクリーン・リーダー以外で作業をしなければならない場合など、ユーザーの混乱の原因となる可能性があることもわかりました。

この検証結果から、スクリーン・リーダーには、最低限記号をユーザーに通知することが求められること、さらに可能であれば同じ記号に対しては、同じ読み上げ方を採用していただく必要があると考えられます。また、当Blogの昨年9月20日のエントリー、最低限のアクセシビリティ対応でも触れましたが、コンテンツ提供者は、目的に応じて適切な記号を用いなければ、スクリーン・リーダー利用者には情報を正しく伝えることができない点についても、今一度確認する必要があると感じました。

せっかく適切に作成されたコンテンツが増えても、それを過不足なくユーザーに伝えることのできるスクリーン・リーダーがなければ、Webアクセシビリティは実現できないことを再認識した検証でした。

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