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2006年11月15日

Webサイトの音声読み上げを可能にするFirefoxの拡張機能

アクセシビリティ・エンジニア 中村

Webサイトの音声読み上げといえば視覚障害者用の機能である、とお考えの方は意外と多いのではないでしょうか。もちろん、視覚障害者、特に全盲のユーザーにとってはWebサイトの閲覧に音声ブラウザもしくはスクリーン・リーダーといった音声読み上げ環境が非常に重要であることは言うまでもありません。

しかしながら、Webサイトの音声読み上げの利用法はそれだけには留まらないのではないでしょうか。例えば、失読症などの認知障害者や、母国語ではないサイトを読みたい場合に役に立つと考えられています。特に日本語をはじめ、アジア圏の言語などは聞いて理解することはできても読めない、という方も少なくないことでしょう。

そこで、今回のエントリーでは上記のような用途に利用可能なFirefox用の拡張機能をご紹介したいと思います。

その拡張機能とはCLiCk, Speakという拡張で、作者はCharles L. Chen氏です。これは氏が開発しているCore Library Components for Text-To-Speech (CLC-4-TTS) Suiteという、Firefox用の拡張機能のうちのひとつであり、この中には他にもFire VoxというFirefoxを音声ブラウザ化する拡張機能があり、こちらはCLiCk, Speakよりも以前から公開されています。CLiCk, Speakは、このFire Voxをマウスで簡単に利用できるようにしたもの、という位置づけのようです。

さて、肝心の機能部分ですが、CLiCk, Speak Featuresから、いくつか取り上げてみたいと思います。

まず、オープンソースですので、無料です。

次に、多言語対応が実装されています。この機能については上記ページ内では触れられていませんが、弊社環境で試してみたところ、対応した音声エンジンが搭載されている場合、lang属性を認識して、音声エンジンの切り替えを行うことが可能になっていました。

さらに、これはFire Voxでも既に実装されている機能ですが、CSS 3 speech moduleおよびMathMLに対応しています。さまざまな制約により、全ての機能が実装されているわけではないようですが、読み上げ速度の変更など、いくつかの機能が働くことが確認できました。

以上のように、無料の拡張機能としては十分すぎる機能を持っています。ただ、日本語での読み上げをおこなう場合には、対応するSAPI5の日本語音声エンジンが必要なのですが、筆者の調査では、現時点では無料で手に入るものは見つかりませんでした。したがって、何らかの方法で音声エンジンを入手する必要があります。なお、Windows XPにデフォルトで入っている英語をはじめとして、多言語についてはいくつか無料で手に入るものもあるようです。

lang属性やCSS 3 speech moduleなどは、仮に実装していたとしても、なかなか通常のWebサイト制作フローでは(既存の音声ブラウザやスクリーン・リーダーを使ったとしても)効果が実感できないものですが、この拡張機能を使って、Webのさらなる可能性を実感し、また対応した機能を持ったWebサイトを制作してみてはいかがでしょうか。

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