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2006年11月8日

ウェブデザイナーと視覚障害利用者との交流会参加報告

アクセシビリティ・エンジニア 辻

11月2日から4日まで、墨田産業会館で視覚障害者のための国際情報・機器&サービス総合展、サイトワールドが開催されました。ここでは、最終日に行われた「ウェブデザイナーと視覚障害利用者との交流会」の模様をご紹介いたします。

音声ブラウザ利用者座談会

この交流会は3部構成になっており、初めに音声ブラウザのボイスサーフィンの開発と販売を行っている株式会社アメディア望月優氏と3人のパネラーの方々によるWebサイトの利用に関するプレゼンテーションが行われました。

パネラーの方々は、それぞれ自分の使い慣れた音声ブラウザを使用してWebサイトにアクセスしており、ユーザーによっては用途に合わせて複数のブラウザを使い分けている方もいらっしゃるというところが驚きでした。その理由として、日常的にはAというブラウザを使用しているが、そのブラウザではアクセスできないページや利用できないボタンが出てくると、Bに切り替えるという具合に、用途に応じてブラウザを切り替えなければならない現状があるそうです。

望月氏は、音声ブラウザやスクリーン・リーダーはそれぞれに工夫をしてWebサイトの情報をユーザーに提供しているが、ページ内で使用されている機能によっては通常の画面の読み上げだけでは対応しきれない部分があるとして、マウスイベントをキーボードで操作することを例として紹介されておりました。

セッションの最後に、パネラーの方がJAWSを用いてWebページにアクセスする様子をデモとして紹介されました。その中で、ページ内の文書構造が適切に設定されていれば、JAWSやボイスサーフィンなどではそれを手がかりにスムーズに情報にアクセスできることを強調されておりました。望月氏のコメントの中で、ボイスサーフィンには、強調個所へのジャンプという機能があり、見出しなどの文書構造が適切に設定されていないページにも有効な機能として紹介されておりました。

また、デモの終わりにこのBlogでも何度か取り上げております画像認証の問題について、サービスの登録ページやBlogの書き込みの際、これが視覚障害者にとって大きな問題となっている現状が紹介されました。

ウェブデザイナーと利用者との意見交換会

質疑応答で最初に話題になったのは、PDFの読み上げについてでした。それぞれのパネラーの方がどのような環境でPDFファイルを閲覧しているかを紹介され、PDFファイルの読み上げにはまだ問題も多いことを強調されておりました。PDFファイルそのものがアクセシブルであることはもちろんのこと、それを利用するユーザーのスキルによっても、どの程度快適に読み上げられるかが変わってくるとのお話があり、まだまだ問題のある現状を再認識いたしました。

次に話題に上がったのは、携帯電話やPDAを視覚障害者の方がどのように利用されているかという会場からの質問でした。携帯電話やPDAを活用されている方は、会場内にはそれほど多くはありませんでしたが、PC向けのコンテンツでは困難な作業も、比較的シンプルに作られた携帯電話向けのページでは利用しやすいという意見が印象的でした。たとえばインターネットバンキングのサイトや旅行の際の座席予約など、場合によっては携帯電話向けのコンテンツのほうが比較的簡単に利用できる例もあるようです。

ボイスサーフィンならこんなときどうする?

交流会の最後は、ボイスサーフィンに関するデモンストレーションでした。PDFファイルの読み上げについて、ボイスサーフィンに搭載されている便利な読み上げコマンドが紹介されました。たとえば、読み込まれたPDFファイルの最後に、ボイスサーフィンでは任意のページにすばやく移動できるページ内リンクを付加しており、ページ数の多いPDF文書であっても効率よく目的の情報にアクセスできるという点が便利そうでした。

この他にも、ボイスサーフィンは検索エンジンをより簡単に使用できるように作られているとのお話がありました。検索エンジンのページに移動することなく、ボイスサーフィンに検索語を入力することで、簡単に検索エンジンを切り替えて同じキーワードの検索結果を閲覧できる機能があるようです。

1時間半ほどの短い交流会でしたが、Webサイトを利用する視覚障害者の方々が、日常どのような問題に直面しているか、またその問題をどのように支援技術がカバーしているかについて、さまざまな意見を聞くことができました。サイトワールドというイベントの特性上、参加者の多くは視覚障害者の方でしたが、今後同じような交流会があればもっと多くのコンテンツ制作者の方々にも参加していただきたいと感じました。

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